押戸石の丘

押戸石の丘 マゼノミステリーロード沿いの謎に包まれた巨石群

押戸石(おしといし)の丘というのは、熊本県南小国町にある巨石群のある丘です。

押戸石

周囲は見渡す限り草原なのですが、どういうわけか丘の上には巨石がたたずみます。

なぜこの丘にだけ巨石群があるのか?

押戸石の丘

押戸石の丘では、大小の巨石群をみることができます。

押戸石の丘から見た火砕流台地

場所は北外輪山の外側で、一帯には阿蘇山の大噴火のさい、火砕流が堆積しました。

押戸石の丘から見た火砕流台地

永年の浸食で、現在のようななだらかに波打つ台地となっています。

押戸石の丘から見た火砕流台地

一面に広がる火砕流台地も、押戸石の丘の見どころです。

押戸石の丘 遊歩道入口

なぜこの丘にだけ巨石があるのかは諸説ありました。

  • 阿蘇山の大噴火で飛んできた
  • 凝灰岩の浸食によってできた
  • 誰かが運んできた

伝説では、鬼たちが夜になると、お手玉をして遊んでいた丘といわれていました。

押戸石の丘 遊歩道入口の説明板

人工的に配置された巨石?

押戸石の丘 南小国町教育委員会の説明板

1968年(昭和43年) 、南小国町教育委員会は、巨石の一つに文字が刻んであることに気づき専門家に分析を依頼しました。

押戸石の丘 遊歩道

専門家によると、刻まれた文字は、ペトログラフということがわかりました。

遊歩道から見上げた押戸石の丘

さらに丘の上の巨石群の配置には意味があり、人為的に置かれたのではないかといわれるようになっています。

遊歩道から見上げた押戸石の丘

ひいては、前史以前の人々の祈りの場だったという説が浮上しています。

押戸石の丘の斜面

主な巨石

押戸石の丘 巨石群

押戸石の丘にある巨石を順路順に紹介します。

押戸石の丘 巨石群

4つの石の向きや位置から、巨石群の謎を解いています。

押戸石の丘 巨石群

はさみ石

押戸石の丘 はさみ石

石の間から夏至に太陽が登り、冬至に太陽が沈みます。

押戸石の丘 はさみ石

そのためはさみ石は、日時計の役割を果たしていたのではないかといわれています。

押戸石の丘 はさみ石

嘘つきが石の間を通るとはさまれるという伝説が残っています。

押戸石の丘 祭壇石越しに見たはさみ石

鏡石

押戸石の丘 鏡石

鏡石は、ペトログラフが刻まれている石です。

押戸石の丘 鏡石

ペトログラフというは、シュメール系の海洋民族が使っていた、世界最古のくさび文字です。

押戸石の丘 鏡石

シュメール人は、メソポタミア文明を開いた民族ということで知られます。

押戸石の丘 巨石

他にも、九州北部や山口県でペトログラフが刻まれた石が見つかっています。

押戸石の丘 シュメール文字とその意味

古代にはこのあたりにも、シュメール系の文明があったのかもしれませんが、詳しいことはわかっていません。

押戸石の丘 鏡石のシュメール文字

鏡石には、蛇神(ナーガ)と聖なる牡牛(バール)が残されています。

押戸石の丘 鏡石のシュメール文字

このあたりの地名「中原(なかばる)」は、ナーガとパールが語源という説まで浮上しています。

押戸石の丘 遊歩道から見た巨石群

祭壇石

押戸石の丘 祭壇石

祭壇石は、夏至と冬至に太陽が昇る、つまり太陽の道上に置かれています。

押戸石の丘 祭壇石

そのため、祭壇として使われていたと考えられています。

押戸石の丘の巨石群

押戸石(太陽石)

押戸石の丘 押戸石

巨石群のなかでも、ひときわ大きいのが押戸石です。

押戸石の丘 押戸石の大地の女神

高さ5.5m、周囲15.3mで、頂点は北極星を指しています。

押戸石の丘 押戸石と方位磁石

磁気を帯びているのが、受付で預かった方位磁石で確認できます。

押戸石の丘 押戸石

ミステリーに包まれた丘

押戸石の丘 磁気を帯びた押戸石と方位磁石

4つの石から、丘の石は人為的に配置されたという説が有力になっています。

押戸石の丘と北外輪山の草原

しかし、自然にできた石に、後付けで意味を持たせた可能性も捨てきれません。

押戸石の丘

本当のところは、4千年前にさかのぼらなければわからず、ミステリーに包まれたままです。

押戸石の丘

マゼノミステリーロード

マゼノミステリーロードは、正式には南小国西農免道路といいます。

押戸石の丘から見た久住高原

本来は農道なのでしょうが、北外輪山の草原を走る道で、バイクに乗る方には人気の道路です。

押戸石の丘から見たマゼノミステリーロードの方向

マゼノというのは「馬の背」という意味です。

マゼノミステリーロード 冬季通行止めの表示

残念ながら、押戸石橋からミルクロード交差点区間は、冬季は通行止めになります。

マゼノミステリーロード マゼノ渓谷の案内標柱

また、マゼノ渓谷は、毎年秋に1ヶ月間限定でしか入ることができません。

マゼノミステリーロード 押戸石の丘入口

ミステリーというのは、押戸石の丘からついたのでしょう。

マゼノミステリーロード 押戸石橋

年間通じて通行できないのも、ミステリー感を増幅しています。

押戸石の丘 駐車場と受付棟

ただし、南小国方面から入ると押戸石の丘までは冬季も入ることができます。

入場料は200円

押戸石橋から押戸石の丘までは、脇道をしばらく走ります。

押戸石の丘 受付棟

道は良くないですが、離合箇所もありますので、ゆっくり走れば問題ありません。

押戸石の丘までの道の側溝注意の標柱

ほとんど土砂で埋まった側溝に、車輪を落とさないよう注意するくらいです。

押戸石の丘までの道にある注意表示

すばらしい運転技術を使う場所はありませんでした。

押戸石の丘 パンフレット表紙

駐車場に停めてから受付で200円を払うとパンフレットがもらえます。

押戸石の丘 受付の案内表示

入場料は、押戸石の丘の環境維持費として使われます。

押戸石の丘で貸してくれる方位磁石

受付をすると方位磁石を貸してくれます。

押戸石の丘で貸してくれる方位磁石

遊歩道で迷子にならないためではありません。

押戸石の磁場を確認するためのものです。

押戸石の丘 方位磁石はお返し下さいと書かれた標柱

方位磁石は、帰る際には受付に返します。

押戸石の丘 受付

なお、受付にスタッフがいるのは、8:30~17:00となりますが、それ以外の時間も入退場できます。

押戸石の丘 三角点の石柱

無人の間も入場料は払いましょう。

押戸石の丘 国土地理院の三角点の標柱

進撃の巨人のロケ地

押戸石の丘 進撃の巨人コラボ フォレストアドベンチャー奥日田のポスター

押戸石の丘は、2015年(平成27年)公開の日本映画「進撃の巨人 ATTACK OF TITAN」(実写版)のロケ地となっています。

0:09~0:15あたりが押戸石の丘のシーンです。

壊れたロケットのある丘のシーンといえば、映画を見た方ならわかると思います。

場所 熊本県阿蘇郡南小国町中原 511

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