瀬原観音は、相良三十三観音霊場の10番札所となります。

人吉藩の旅籠街として発展したあたり、旧来の人吉市街に位置します。

瀬原観音院

商店自体は、往年からすると数を減らしました。

しかし、現在も観光ホテルが並ぶ、人吉の商業地域の代表スポットです。

瀬原観音院

瀬原観音院は、1653年に永国寺の住職が、相良家の化粧部屋として譲り受け、開山したお寺です。

瀬原観音は、この観音院のご本尊です。

瀬原観音院の鰐口

近代になるまでは、木造建築が建ち並び、高層建築はありませんでした。

昭和時代になると、商業地域ということで、ビルが建てられるようになります。

瀬原観音院入り口

現在は、ビルの間の路地を通り入るようになっています。

瀬原観音院山門

入り口が少しわかりにくくなっています。

ビルの間の路地

境内に入ると、旅籠街らしく、弁天さんやお稲荷さんの摂社が並んでいます。

弁天堂

水の神さま、音楽の神さま、ひいては芸能の神さまです。

弁天堂

女将さんたちがお参りしていた光景が目に浮かびます。

稲荷大明神

いわずと知れた、商売の神さまです

稲荷大明神

商店主たちがお参りしています。

ガランさま

瀬原観音院で特異なものとして、「ガランさま」とよばれる石碑があります。

伽藍(ガラン)というのは、仏教用語で俗世界とお寺の境界を指すものです。

ガランさま

川原から穴の開いた石を拾い、数珠のようにつなげて奉納すると耳の病気や、咳が治るといわれています。

キリスト教との関係

1614年に禁教令が出される前は、キリシタンの大名も珍しくありませんでした。

豊後国(現在の大分県)の大友宗麟は、キリシタン大名として有名です。

瀬原観音前の石造仏像

相良藩でも、第20代長毎(ながつね)は、夫婦そろってキリスト教を信仰していたという説があります。

そのためか、瀬原観音院には「ガンマサ」とよばれるキリシタン燈籠があります。

ガランさまと仏像

また、本堂にはマリア観音が安置されています。

住職がいらっしゃって、案内できる時間がある時は観覧できます。

瀬原観音院本堂

人吉領内では一向宗弾圧の歴史はよく聞きます。

しかし、キリスト教弾圧の話は聞いたことがありません。

瀬原観音院の説明板

人吉藩は、キリスト教に寛大だったのかもしれません。

ご本尊

ご本尊は、聖観音菩薩立像となります。

瀬原観音院本堂のご本尊でもあります。

瀬原観音
熊本県公式観光サイト

観音院は曹洞宗のお寺ですが、聖観音がご本尊となるのは、かなり珍しいということです。

人吉指定の有形文化財です。

場所 熊本県人吉市九日町15

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