鹿児島県阿久根市には、江戸時代から伝わる七不思議があります。
当初の姿は時代とともに変化していますが、現在も語り継がれる謎多き場所です。
岩船
岩船(いわふね)というのは、折口川河口にある大岩です。
舵が折れた船が座礁し、そのまま岩となったものと伝えられています。
残念なことに現在は砂に埋もれてしまい、見ることができなくなっています。
石船神社から折口海岸へ行くと、説明板が立てられています。
光礁
光礁(ひかるぜ)は、不思議な光を放つ岩といわれています。
その光は、まるで鉛を溶かしたような色をしているといいます。
昔はその岩の下に黄金があるため、不思議な光を発すると思われていました。
ある商人が黄金をさがすため、海底を掘ってみましたが黄金はなかったといいます。
「金を得るために金を捨てた」と笑いぐさになったという話となって伝わります。
黒神岩
黒神岩(くろかみいわ)は、現在の海岸線から、約6百メートル内陸にあります。
しかし、表面に貝がらのついた大きな岩がいくつも並んでいます。
大昔、この辺りが海だったころの名残りといわれます。
一帯には水田が広がっていましたが、現在は住宅街となっています。
場所 鹿児島県阿久根市波留
黒神岩というのは、 鹿児島県阿久根市にある岩礁群です。 阿久根空襲では、周辺を被災から守った海神が宿るといわれるパワースポットです。 阿久根の七不思議 黒神岩は、黒く大きな岩礁で、 1つの[…]
隔岡の塩田
隔岡(おかごし)の塩田というのは、江戸時代の初めころからの塩田です。
特に戦後は水田をつぶしてまで、製塩業が盛んにおこなわれました。
通常、塩田は海沿いにありますが、隔岡の塩田は海から離れています。
しかも、海とは大きな丘に隔てられているにもかかわらず、塩がでてくる不思議な塩田でした。
現在は区画整理事業により市街地となっていますが、潟地区の公民館には塩釜神社が残されます。
大人の足形
大人(おおひと)の足形というのは、この地方に住んでいた天狗の足形と伝わります。
村人たちにけしかけられて、阿久根大島まで飛ぼうとしたときに踏み台にしたといわれます。
そのため「天狗の足跡」ともよばれます。
波留地区の八幡神社境内にあります。
ちなみに八幡神社から阿久根大島までの直線距離は、約4㎞です。
佐潟穴
佐潟穴(さがたあな)というのは、佐潟鼻にある洞窟です。
入り口は人1人がやっと入れる大きさですが、中は広くいくつもの別れ道があり、迷路状になっています。
伝説では、甑島までつながっているともいわれます。
ちなみに甑島までは、直線距離で26.5㎞あります。
場所 鹿児島県阿久根市西目
佐潟の洞窟は、鹿児島県阿久根市にある不思議なほら穴です。 ながいながい年月をかけて、海水が岩を浸食してできたものです。 佐潟鼻 阿久根市西目の佐潟地区から、東シナ海に飛び出[…]
尻無川
尻無(しりなし)川は、河口が海岸から寄せる砂で塞がっていました。
川の出口がないため、尻無とよばれるようになっています。
もちろん、海から船で尻無川に入ることはできませんでした。
現在は、国道橋梁の設置や護岸工事により、当時の姿を留めていないといわれています。
とはいえ、現在も地上では河口と海はつながっていません。
場所 鹿児島県阿久根市大川
関連記事
【関連記事】黒神岩(阿久根市) 海岸から離れた場所に佇む大岩礁の伝説
【関連記事】佐潟の洞窟 甑島へ続くほら穴と佐潟鼻の360°美しい風景
【関連記事】牛ノ浜海岸 すみっ瀬の背景に沈む夕日を見てみたい憧憬スポット