弥五郎どん像というのは、鹿児島県曽於市にある伝説の大男の像です。
大男の像だけあって超大きな像で、岩川の町を通るといつも目に入ります。
弥五郎どんとは?
弥五郎どんというのは、宮崎県南部や鹿児島県曽於市に伝わる、大男のことです。
弥五郎どんには、さまざまなエピソードが伝わっています。
- 山に腰かけ、海で顔を洗っていた
- 足跡が谷や池になった
- 高い山に登り、雲をかき混ぜて雷を止めた
- 洪水で決壊した川の土手を大岩でふさいだ
伝説から推測すると、その巨体を使って一般の人の困りごとを解決する優しい巨人だったようです。
巨大な弥五郎どん
弥五郎どん像は、仏像を除く像の中では日本最大といわれています。
巨人に相応しいとても大きな銅像です。
身長 | 15m |
体重 | 39t |
台座の高さ | 1.5m |
太刀 | 9m |
小刀 | 7m |
完成 | 1996年(平成8年) |
弥五郎どん像は小高い丘の上にあるため、岩川の町が一望できます。
逆に岩川の町からいつでも見ることができる、シンボル的存在です。
モデルとなった人物
弥五郎どんのモデルは、隼人族の首領というのが定説となっています。
720年におきた隼人の反乱では、この地方に住む隼人族が大和朝廷に反旗を翻しています。
米作をもとにした律令制度は、当時の日向国南部や大隅国には合わなかったため住民に不満がつのっていました。
しかし隼人側は、大伴旅人率いる朝廷側に鎮圧されています。
この反乱での隼人族の霊を供養するためはじまったのが、弥五郎どん祭りといわれています。
一方、300 歳の長寿で6代の天皇に仕えた、武内宿祢(たけうちすくね)がモデルだという説も根強く残ります。
弥五郎どん祭り
弥五郎どん祭りは、岩川八幡神社の例祭です。
浜下りでは 4m85cmの弥五郎どんが、岩川の町へ繰り出します。
1992年 (平成4年)には、スペインのバルセロナで開催された巨人万博に出展、世界に名声を上げています。
弥五郎どん祭りは、3地区で伝承され、 岩川八幡神社の弥五郎どんは、3兄弟の次男といわれています。
長男 | 宮崎県都城市山之口町 | 的野正八幡宮 |
次男 | 鹿児島県曽於市大隅町 | 岩川八幡神社 |
三男 | 宮崎県日南市飫肥 | 田之上八幡神社 |
道の駅おおすみ弥五郎伝説の里
弥五郎伝説は、道の駅の名前にもなっています。
旧大隅町時代にできた、道の駅おおすみ弥五郎伝説の里です。
特産品直売所は、「やごろう農士家市」 といいます。
曽於市は農業がさかんで、なかでも畜産業は国の食糧供給基地として重要視されています。
入口には、家畜のモニュメントが置かれています。
豚だけが反対方向を向いているのが気になりますが、その理由は知る由もありません。
もう一つのオブジェは、 黒牛が野菜を載せた牛車を引いています。
健康ふれあい館の温泉は 「やごろうの湯」といいます。
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