山川港 (やまがわこう)は、鹿児島県指宿市にある港です。
錦江湾を横断する最南端の定期航路、フェリーなんきゅうの発着場です。
天然の良港
山川港は、山川湾の地形を利用した天然の良港で、鎌倉時代から南蛮貿易の拠点として発展しました。
江戸時代の鎖国政策下も、琉球 (現在の沖縄県) 貿易で発展しています。
明治時代以降は沿岸漁業基地として栄え、現在もカツオ漁で有名です。
海の国道
山川町(現在の指宿市) と根占町 (現在の南大隅町)との間に、 定期旅客船が就航したのは、1968年 (昭和43年)のことでした。
指宿市を起点に大隅半島を縦断し宮崎市へ至る、 国道269号線の海上区間で、 海の国道とよばれる航路です。
宮崎市から都井岬・佐多岬を経由し指宿市に至るルートは、当時の新婚旅行の定番コースでした。
フェリーなんきゅう
山川〜根占航路に現在就航しているのは 「フェリーなんきゅう (2代目)」 です。
総トン数 | 136トン |
長さ | 34.1m |
幅 | 8.6m |
旅客定員 | 95名 |
積載車両数 | 普通車18台 または大型車2台と普通車6台 |
運行会社 | なんきゅうドック |
ホームページ | ホーム | フェリーなんきゅう |
時刻表 | 時刻表 |
運賃表 | 運賃表 |
なお、所要時間は約50分です。
航路の変遷
時は流れ 2000年代に入ると、 全国の定期旅客船航路は、道路網の整備や橋梁の架設、燃料高騰で廃止に追い込まれています。
山川〜根占航路は、薩摩半島と大隅半島を結ぶ南端の航路です。
道路整備や橋梁架設の影響はさほどありませんでしたが、 観光客数は減少していました。
2002年 (平成14年)、岩崎グループの南海郵船は山川〜根占航路の廃止を決定します。
代わりとして2004年(平成16年)、 指宿港~大根占港 (錦江町) を結ぶ航路に、 南九州船舶が定期旅客航路を開設しています。
山川~根占航路の復活
その後も山川〜根占航路は、 住民から再開設の要望が強かったため、関係自治体と岩崎グループの間で協議が持たれていました。
2006年 (平成18年)、 官民共同で、「ぶーげんびりあ (1478総トン)」を就航させ山川~根占航路が復活しています。
しかし、さらに燃料価格が上昇したため、 2010年 (平成22年) に 「ぶーげんびりあ」は運休することになります。
このまま岩崎グループは山川〜根占航路から撤退しています。
2011年 (平成23年)から、指宿~大根占間に就航していた南九州商船の「フェリーなんきゅう」が、山川〜根占航路へ移動し暫定運行することになります。
同年に就航した新造船 「フェリーなんきゅう (2代目)」 を投入 「ぶーげんびりあ」が使っていた発着施設をそのまま使用し、 山川〜根占航路は本格的に復活を果たしています。
道の駅山川港活お海道
山川港は、砂嘴(さし)の形が鶴のくちばしに似ていることから、江戸時代には「鶴の港」とよばれていました。
道の駅山川港活お海道(いおかいどう)は、山川港が「鶴の港」とよばれていたことにちなみ、鶴が羽を広げた イメージの建物となっています。
「活お」というのは、「かつお」と読むのと思いきや、「いお」と読みます。
「いお」というのは、鹿児島弁で魚のことです。
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