安楽山宮神社は、鹿児島県志布志市志布志町安楽にある神社です。
志布志に古くからある神社で、ご神木の志布志のオオクスで知られています。
境内
志布志市に出向いたら、まず山宮神社に参拝です。
藩政時代には大隅国随一の規模を誇ったという、歴史ある神社です。
鳥居の先には神門がひかえます。
社殿の前には狛犬の代わりに仁王さま。
阿吽対でお並びです。
そして両脇に随神殿(ずいじんでん)を従えた社殿です。
拝殿の扁額です。
向かって左の随神殿です。
向かって右の随神殿のさらに右にも鳥居があります。
この鳥居は、天満神社の鳥居でした。
天満神社まで入ると本殿を見ることができます。
志布志のオオクス
境内のご神木は「志布志のオオクス」とよばれ、国の天然記念物に指定されています。
709年の創建時に、天智天皇がお手植えされたと伝わります。
創建は天皇崩御後ですので、実際は九州に行幸された際に植えられていると考えられます。
確かに樹形は整っていました。
山宮神社の広葉杉
広葉杉というのは、手水の裏側にあるご神木です。
中国原産で、江戸時代に庭園樹として輸入されるようになった樹です。
南九州では神社などに植栽されています。
シロアリなどの虫害に強い木です。
ご祭神
山宮神社は当初こそ山宮大明神とよばれていました。
しかしその後、明治になるまでは山口六社権現という名称でした。
6柱をまつっています。
天智天皇(てんちてんのう)
中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)のことで、大化の改心を行いました。
第38代天皇です。
持統天皇(じとうてんのう)
天智天皇の皇女で、弘文天皇の皇后です。
玉依姫(たまよりひめ)
天智天皇の二の妃です。
薩摩国頴娃(えい)の豪族の娘です。
大友皇子(おおとものおおじ)
天智天皇の皇子で、のちの弘文天皇のことです。
乙姫(おとひめ)
天智天皇皇女で、生母は玉依姫です。
倭姫(やまとひめ)
天智天皇の皇后さまです。
沿革
709年、山宮大明神として創建した古社となります。
807 年に近隣の神社を合祀して、現在地に移っています。
合祀されたのは以下の6社で、山口六社権現とよばれていました。
- 山宮大明神(天智天皇)
- 山口大明神(大友皇子)
- 若宮神社(自持天皇)
- 中宮神社(玉依姫)
- 鎮母神社(倭姫)
- 浦葵御前社(乙姫)
この地は、新納、肝付、島津と藩主が変わっています。
領主は変われど、歴代領主により社殿が維持されてきました。
正式名称「山宮神社」と改称したのは明治時代に入ってからです。
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