榎原神社(よわらじんじゃ)は、宮崎県日南市南郷町にある神社です。
飫肥城の鎮守社として、鵜戸神宮を勧請したもので、楼門と鐘楼が特徴的です。
内田萬寿姫
榎原神社は1658年、飫肥藩第3代当主・伊藤祐久が鵜戸神宮より勧請しています。
それ以前からあって、再興されたという説も有力です。
いずれにしても当時、神女として崇められていた、内田萬寿姫(うちだますひめ)の進言であったといいます。
萬寿姫は、その後榎原神社の巫女として過ごし、神通力を使って多くの人を助けたといわれています。
没後は、榎原神社境内の桜井神社に神霊をまつられています。
楼門
榎原神社の楼門は、1816年に建てられた神仏習合の名残です。
柱には飫肥杉を使い、基礎には榎原石とよばれる凝灰岩が使われています。
地方色が出ていて、県内に同じような楼門はないため、文化財としても高く評価されています。
楼門の両脇には、仁王像が安置されています。
阿形は青い目、吽形は赤い目で榎原神社を守っています。
鐘楼
鐘楼は 1842年に建てられたもので、やはり神仏習合の名残です。
榎原神社創建以前、境内には地福寺というお寺がありました。
地福寺は榎原神社創建後も、別当寺として榎原神社と深く関わってきたといわれています。
明治時代に入り、地福寺は廃仏毀釈で廃寺となっています。
しかし、今もおおみそかには、除夜の鐘を鳴らしています。
社殿
現在の社殿は 1707年に建てられ、1798年に改修されたものです。
柱の端の部分に、突き出ている装飾を木鼻といいます。
木鼻と彫刻を見ただけでも、当時の飫肥藩の力の入れ具合がわかります。
もちろん、飫肥杉がつかわれています。
摂末社
桜井神社
本殿前の脇に建てられ、本殿に次ぐ規模の社殿を持つ摂社です。
内田萬寿姫をまつります。
霊社
本殿横に並ぶ末社で、最も本殿に近い場所にあるのが霊社です。
霊社も内田萬寿姫の霊をまつる神社のようです。
住吉神社
霊社に並んであるのが、住吉神社です。
住吉三神をまつります。
天満神社
本殿を向いて建つのが天満神社です。
菅原道真公をまつります。
稲荷神社
稲荷神社は境外末社となります。
稲倉魂命(うかのみたまのみこと)をまつります。
地福寺開僧精能の墓
桜井神社の横にあるお墓が、地福寺第1世「精能」のお墓です。
墓石手間の顔の石造は、古来から「歯の神さま」とされています。
歯痛に悩む人の信仰の対象でした。
貴雲山地福寺歴代住職の墓
社殿裏には、地福寺の歴代住職のお墓があります。
ご神木
夫婦楠
夫婦楠は、社殿横の遊歩道にあるご神木です。
向かって左が男楠、右が女楠です。
夫婦だけに、縁結びにご利益があるとされます。
縁結の木・夫婦の木
縁結の木・夫婦の木というのは、鐘楼の裏側にあるご神木です。
エノキとイヌマキが合体して、1本の木のようになっています。
2本の木が仲良く1本になっていることから、縁結びのシンボルとなっています。
長寿のソテツ
長寿のソテツは、社殿の裏の遊歩道入り口にあるソテツです。
地を這うように曲がりくねっています。
ご祭神・ご利益
- 天照大神(おまてらすおおのかみ)
- 天忍穂耳命(あめのおしほみみのみこと)
- 彦火瓊々杵尊(ひこほのににぎのみこと)
- 彦火々出見命(ひこほほでみのみこ)
- 鵜葺草葺不合命(うがやふきあえずのみこと)
- 神日本磐余彦命(かむやまといわれびのみこと)
縁結びのパワースポットとして有名です。
また、安産・家内安全にご利益があるとされています。