宮浦石炭記念公園は、福岡県大牟田市にある公園です。
旧三池炭鉱宮浦坑の一部で、炭鉱時代の遺構が残されています。
旧三池炭鉱宮浦坑
宮浦石炭記念公園に残る、炭鉱遺構は以下の通りです。
| 第一竪坑関連設 | 坑口跡・煙突 |
| 大斜坑関連施設 | 坑口跡 ・プラットホーム 人車・資材降下坑口跡 |
| 坑内機械 | ドリルジャンボ フェースローダー サイドダンプローダー |
| 休園日 | 年中無休 |
| 開園時間 | 入園自由 |
| 入園料 | 無料 |
| 駐車場 | 5台 |
宮浦坑の歴史
宮浦坑は、1887年(明治20年)に開かれ、1888年(明治21年) から揚炭がはじまっています｡
排水は当初七浦坑、のちに宮原坑で行われ、揚炭と人員昇降に限定した坑口でした。
1903年(明治36年)、 落差 180mの断層に当たり、揚炭が困難になりました。
新たな区域に通じる坑口として、長さ1kmに及ぶ大斜坑を開削して再生しています。
1968年 (昭和43年) の閉坑まで使われていました。
1996年 (平成8年) に宮浦石炭記念公園として整備されています。
大斜坑
1923年(大正12年)に完成した大斜坑は、日本初のベルトコンベアによる連続揚炭を実用化しています。
宮浦坑の延命は、大斜坑なしにはあり得ませんでした。
周辺には石炭を原料とする化学コンビナートが形成されています。
化学コンビナートも、日本最古のものといわれています。
おとなりの小さな坑口は、材料降下坑口跡です。
坑内機械
宮浦石炭記念公園には、坑内で使われていた機械を見ることができます。
サイドダンプローダー
坑道内の土砂を積み出す機械で、バケットが横向きに回転します。
フェースローダー
石炭をかき寄せてベルトコンベアに乗せる機械です。
ドリルジャンボ
岩盤層に当たったとき、岩にダイナマイトをしかける穴を掘る機械です。
第一竪坑煙突
宮浦石炭記念公園の煙突は、宮浦坑電化前の蒸気動力時代に使われていたものです。
三池炭鉱に現存する唯一の煙突です。
炭坑節に登場する煙突は、宮浦坑のものといわれています。
| 高さ | 31.2m |
| 上部直径 | 2.9m |
| 基部直径 | 4.3m |
（ヨイヨイ）
三池炭鉱の上に出た
あんまり煙突が高いので
さぞやお月さん けむたかろ
（サノ ヨイヨイ）
関連記事
【関連記事】三井三池炭鉱まとめ 観光で世界遺産見学をするための全体像をつかむ記事
【関連記事】三井三池炭鉱三川坑 三池争議と炭じん爆発事故を経験した昭和の主力坑
【関連記事】三池港 100年先を見据え干潟に築かれた三池炭鉱の重要インフラ
【関連記事】三池鉄道 最盛期には旅客輸送もした三池炭鉱専用鉄道の線路跡
【関連記事】三井三池炭鉱万田坑 当時の姿を残す明治から昭和初期の主力坑
【関連記事】三池炭鉱宮原坑 ガイドさんが案内する第二竪坑櫓がシンボルの世界遺産
【関連記事】三池炭鉱勝立坑 湧水を克服した明治時代3番目の主力坑口