おびんずるさまというのは、熊本県山鹿市の日輪寺にある仏像です。

日本一大きなおびんずるさまといわれています。
賓頭盧

頭盧(びんずる)というのは、釈迦の弟子・十六羅漢の筆頭です。

神通力があり病に苦しむ人を癒したといわれています。

日本の寺院では、お堂の前にびんずる像が置かれ、「なで仏」という風習が広がっています。

像ををなでてから、自分の体の悪いところを触ると、病気が治るといわれます。

奈良県の東大寺大仏堂や、長野県の善光寺のおびんずるさまが有名です。
このあいだは、長野市の善光寺のおびんずるさまは、盗難に遭っていました。

しかも、その容疑者は熊本県在住の男性でした。

日輪寺

日輪寺というのは、熊本県山鹿市にあるお寺です。

平安時代に天台宗のお寺として開山し、鎌倉時代に曹洞宗に改宗しています。

菊池氏・加藤清正・細川氏と、歴代領主に庇護された名寺となります。

立派な鐘楼の姿がそれを物語ります。

忠臣蔵で知られる赤穂義士のうち、細川藩が預かった、大石蔵助をはじめとする17士の遺髪を納める遺髪塔があります。

サクラとツツジの名所であり、3月から4月にかけて多くに人が訪れています。

日本一大きなおびんずるさま

日輪寺のおびんずるさまは、なんと高さ30mの巨像です。

つつじ公園へ登ると、おびんずるさまが姿を現します。

さらに、日輪寺の庭園から石段を登ると、 おびんずるさまを間近に見ることができます。

後で調べると、お堂の横の池から登る階段が、おびんずるさまへ通じる道でした。

2016年 (平成28年)の熊本地震までは、「胎内巡り」といっておびんずるさまのおなかの中に入ることができたといいます。

なで仏の風習は、日輪寺のおびんずるさまも同じです。

しかし、現在は立入禁止になっていて、おびんずるさまに触れることはできません。

西南の役薩軍北方拠点

なんと、日輪寺は西南戦争の時、薩軍の北方の最重要拠点でした。

薩軍がこんなに北まで勢力を伸ばしていたことに驚きました。

薩軍兵士のお墓と、官軍・東京巡査隊長の押川仙太郎の顕著碑がありました。

場所 熊本県山鹿市杉 1607




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