龍門司坂 (たつもんじざか)というのは、 鹿児島県姶良市にある旧街道の坂道です。
NHK 大河ドラマの定番ロケ地でもあり、 姶良市を代表する観光地です。
実際登ってみた
龍門司坂は、文字通り石畳の坂道で、階段ではありません。
石に苔が生え、とても滑りやすくなっています。
特に下るときにツルツルと滑りました。
例えると、 雪が降った日に坂道を歩くような感じです。
同じ見た目でも、滑りにくい石と滑りやすい石があり、ランダムで滑ります。
通常は落ち葉の上が滑りますが、龍門司坂では落ち葉の上の方が安全です。
それに、子供ですけど野生の イノシシと出会えます。
筋(すじ)とは?
薩摩藩では街道のことを、筋とよんでいました。
鹿児島から大阪や江戸に向かうには、大きく分けて3つの筋がありました。
出水筋 | 現在の国道3号線に近いルート |
大口筋 | 現在の国道504号線・国道268号線に近いルート |
高岡筋 | 現在の国道10号線に近いルート |
江戸時代の前半は、 高岡筋で日向に向かい、 海路で瀬戸内海の中国路へ渡るのが主流でした。
後半になると、出水筋を使うのが主流となっています。
大口筋
大口筋は参勤交代の大名行列だけでなく、伊佐霧島地域との人々の往来や物資の輸送などで重要な役割を果たしていました。
龍門司坂は、大口筋の一部です。
急な山道を天候が悪い時でも往来できるように、石畳敷にしたものです。
1635年から約100年かけて完成したといわれています。
本来は1500mの区間に石畳が敷かれましたが、 現存するのは 486.6mです。
1877年(明治10年)には、西南の役で薩軍の部隊約6000人が、龍門司坂を通り熊本へ向かいました。
1890年(明治23年)、東側に新道が開削されたことで、 役割を終えています。
NHK大河ドラマの定番ロケ地
龍門司坂では、NHKの大河ドラマの撮影が何回も行われています。
1990年(平成2年) | 翔ぶがごとく |
2008年(平成20年) | 篤姫 |
2010年(平成22年) | 龍馬伝 |
2018年(平成30年) | 西郷どん |
西郷どんでは、オープニングで龍門司坂のシーンが毎回放映されていました。
西郷どんが触れていたスギは、「西郷隆盛 決意の杉」とよばれています。
本編では第13話 「変わらない友」で登場します。
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