宮原線(みやのはるせん)というのは、1984年(昭和59年)に廃線になった国鉄のローカル線です。
![宮原線肥後小国駅 旅客運賃料金表](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
大分県の恵良駅から、熊本県の肥後小国駅を結んでいました。
宮原線とは?
宮原線は、路線距離26.6㎞、全6駅の鉄道路線です。
![道の駅小国ゆうステーションの宮原線の展示物](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
晩年は全列車が久大本線に乗り入れ、豊後森駅が発着駅でした。
![旧国鉄宮原線 幸野川橋梁](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
当初から肥後小国駅を目指してできた路線ではありません。
![北里駅のプラットホーム](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
菊池方面へ延伸し、東肥鉄道(瀬高駅~南関駅)さらには佐賀線(佐賀駅~瀬高駅)とつなぐ計画で着工した路線でした。
完成すれば、豊後森駅~佐賀駅を結ぶ150㎞に及ぶ路線だったはずです。
![宝泉寺駅の短冊駅名標](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
大戦中には不要不急路線とされ、延伸工事が中止されるにとどまりません。
![宮原線町田駅跡](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
惠良~宝泉寺の開業区間も休止され、レールを供出しています。
![久大本線豊後森駅](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
戦後に肥後小国駅まで開通しますが、それ以上延伸されることはありませんでした。
![廃線時の宮原線臨時列車](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
国鉄再建法では、第1次特定交通線に指定されています。
![宮原線肥後小国駅跡 さようなら宮原線プレート](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
現在では、東肥鉄道・佐賀線も含め、全線が廃線となっています。
![宮原線肥後小国駅跡 道の駅小国にある駅名標](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
なお、路線名は小国町の中心部である宮原地区にちなむものです。
![宮原線肥後小国駅跡 道の駅小国で使われている枕木](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
肥後小国駅
![宮原線肥後小国駅跡](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
肥後小国(ひごおぐに)駅跡は、現在の道の駅小国ゆうステーションです。
![道の駅小国ゆうステーション](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
とてもわかりやすい、特徴的な円形建物です。
![道の駅小国ゆうステーション2階 宮原線展示物](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
2階には宮原線の展示物が置かれています。
![宮原線肥後小国駅跡の線路と駅名標](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
さらに、国道442号線沿いには、線路や駅名標が展示されています。
![宮原線肥後小国駅の室外展示物](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
場所 熊本県阿蘇郡小国町宮原
![宮原線肥後小国駅の腕木式信号機](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
幸野川橋梁
![宮原線幸野川橋梁](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
幸野川橋梁(こうのがわきょうりょう)は、樅木川のかかる宮原線のアーチ橋です。
![道路をまたぐ宮原線幸野川橋梁](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
コンクリート製ですが、骨材には竹筋が使われているといわれています。
![宮原線幸野川橋梁のデザイン](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
特徴的なデザインが印象的でした。
![宮原線幸野川橋梁](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
場所 熊本県阿蘇郡小国町北里
![下から見上げた宮原線幸野川橋梁](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
北里橋梁
![宮原線北里橋梁の5連アーチ](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
北里橋梁(きたざときょうりょう)は、北里駅のすぐ西側にある5連アーチ橋です。
![宮原線北里橋梁](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
いちばん北里駅に近いアーチの下を道路がくぐります。
![線路跡から見る宮原線北里橋梁 イッヌがいます](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
線路跡をたどって見に行くと、北里橋のたもとでは、イッヌが出迎えてくれます。
![宮原線北里橋梁](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
場所 熊本県阿蘇郡小国町北里
![宮原線北里橋梁 たもとのイッヌ](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
北里駅
![宮原線北里駅 ホームと駅名標](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
北里(きたざとえき)駅跡にはホームが残り、駅名標も再現されているので、往時の姿がイメージできます。
![宮原線北里駅 地下通路入口](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
注目したのは、コンクリート製の地下連絡路です。
![宮原線北里駅 地下通路](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
集落は駅の北側を流れる北里川沿いに集中しています。
![宮原線北里駅 地下通路](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
駅は一段高い位置にあるため、集落へ降りるための地下道があります。
![宮原線北里駅 ホーム](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
場所 熊本県阿蘇郡小国町北里
![宮原線北里駅の造形物](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
堂山橋梁
![宮原線堂山橋梁](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
堂山橋梁(どうやまきょうりょう)は、北里川にかかる3連アーチ橋です。
![宮原線堂山橋梁 道路部分](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
一番北側のアーチが道路を跨ぎます。
![宮原線堂山橋梁 登録有形文化財の表示](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
宮原線跡のアーチ橋は、どれも国の登録有形文化財として指定されています。
![宮原線堂山橋梁 道路部分](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
場所 熊本県阿蘇郡小国町北里
![宮原線堂山橋梁](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
汐井川橋梁
![宮原線汐井川橋梁](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
汐井川橋梁(しおいがわきょうりょう)は、ホタルの里温泉から見えるアーチ橋です。
![宮原線汐井川橋梁](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
橋からホタルの里温泉一帯は、名前の通り、ホタルを見る名所です。
![ホタルの里温泉](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
場所 熊本県阿蘇郡小国町北里
![宮原線汐井川橋梁はホタルの出現地](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
堀田橋梁
![曲線を描く宮原線堀田橋梁 下は建築資材置場](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
堀田橋梁(ほりたきょうりょう)は、少しカーブしています。
![宮原線堀田橋梁 桁橋部分](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
道の上には桁橋が架かっていたのでしょう。
![宮原線堀田橋梁 コンクリート面](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
山あり谷ありの宮原線には、多くのコンクリート製アーチ橋が架けられました。
![宮原線堀田橋梁 曲線部分](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
場所 熊本県阿蘇郡小国町北里
![宮原線堀田橋梁](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
麻生釣駅
![宮原線麻生釣駅 ホームの階段](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
麻生釣駅(あそづるえき)跡にはホームが残っています。
![宮原線麻生釣駅 植物に覆われたホーム](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
しかし、ホーム上は植物がおおい、痕跡らしいものはみつかりませんでした。
![宮原線麻生釣駅 駅前のお宅](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
駅前の一等地にある家も、お留守です。
![宮原線麻生釣駅 物干しざおに留められた駅跡の表示](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
物干しざおにかけられた消えかかった駅跡の表示がなければ、ホームの階段も見過ごすところでした。
![宮原線麻生釣駅 線路跡 右側が麻生釣駅跡](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
場所 大分県玖珠郡九重町菅原
![宮原線麻生釣駅通りの入口](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
串野トンネル
![宮原線串野のトンネルを利用した道路](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
宮原線跡には、橋だけでなく多くのトンネルも残されています。
![宮原線串野のトンネルの信号機](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
なかでも串野トンネルは道路転用したものの、1車線交互通行で信号機がつけられた珍しいトンネルです。
![宮原線串野のトンネル内部](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
![串野トンネルへ向かう宮原線の築堤と橋梁](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
宝泉寺駅
![観光物産館宝泉寺駅](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
宝泉寺駅(ほうせんじえき)跡は、観光物産館宝泉寺駅になっています。
![宮原線宝泉寺駅ホーム跡](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
宮原線跡は国道387号線になっていて、現在の国道沿いにホームがありました。
![宮原線宝泉寺駅 ホームと駅舎の連絡通路](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
地下道で降りて、現在の駐車場に駅舎があったといいます。
![宮原線宝泉駅 影木舎跡](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
観光物産館宝泉寺駅は、廃線後建てられた建物です。
![宝泉駅 鉄道資料室の案内](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
2階に鉄道資料室があると書いてありましたが、残念なことに休館日でした。
![宮原線宝泉駅 鉄道設備の展示](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
外に少しだけ宮原線時代の展示があります。
![宮原線宝泉駅 駅名標](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
![物産館宝泉駅の看板](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
町田駅
![宮原線町田駅跡](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
町田駅(まちだえき)あたりは、宮原線跡が国道として改良されています。
![宮原線町田駅 ホーム跡](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
国道の盛土でわかりにくいですが、ホームがそのまま残されています。
![宮原線町田駅 駅前からホームへ登る階段](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
駅前に降りてみると、かなり高い築堤だったのがわかります。
![宮原線町田駅 駅前からホームへ登る坂道](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
場所 大分県玖珠郡九重町町田
![宮原線町田駅 駅名標](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
恵良駅
![久大本線惠良駅 駅舎](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
恵良駅(えらえき)は、JR九州久大本線の現役駅です。
![久大本線惠良駅](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
かつての宮原線の起点駅でした。
![久大本線惠良駅 八鹿酒造の展示物](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
八鹿酒造の本拠地だけあって、駅舎内に少しだけ展示があります。
![惠良駅から見た豊後森駅方向です。](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
上が豊後森方向、下が引治駅そして宮原線町田駅方向です。
![惠良駅から見た引治駅、宮原線町田駅方向です。](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
宮原線があった当時は、3番線まであったといいます。
![惠良駅 1番ホーム](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
場所 大分県玖珠郡九重町右田
![惠良駅 2番ホーム](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
豊後森駅
![豊後森駅 ロータリー](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
豊後森駅(ぶんごもりえき)は久大本線の駅ですが、宮原線の列車の始発駅であり終点駅でした。
![豊後森駅駅舎内](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
現在は観光地の雰囲気を醸し出すオシャレな有人駅です。
![豊後森駅](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
宮原線で豊後森駅に着いた乗客は、ここで久留米や大分行きに乗り換えていました。
![豊後森機関庫](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
蒸気機関車時代に使っていた豊後森機関庫が現存し、観光スポットになっています。
![ようこそ玖珠町へ 豊後森駅の看板](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
場所 大分県玖珠郡玖珠町帆足
![豊後森駅前の通り](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
沿革
![豊後森⇔宝泉寺 豊後森機関庫ミュージアムにあった宮原線のプレート](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
1937年(昭和12年) | 恵良駅~宝泉寺駅間を宮原線として開業 |
1943年(昭和18年) | 不要不急線として全線休止 |
1943年(昭和23年) | 恵良駅~宝泉寺駅間営業再開 |
1954年(昭和29年) | 宝泉寺駅~肥後小国駅間を延伸し全通 |
1971年(昭和46年) | 貨物営業廃止 |
1981年(昭和56年) | 第1次特定交通地方線として廃止決定 |
1984年(昭和59年) | 全線廃止 |
![道の駅小国 宮原線の木製駅名標(商品)](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
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