佐潟の洞窟は、鹿児島県阿久根市にある不思議なほら穴です。
ながいながい年月をかけて、海水が岩を浸食してできたものです。
佐潟鼻
阿久根市西目の佐潟地区から、東シナ海に飛び出した岬を佐潟鼻といいます。
もともとは島だったのですが、陸繋砂州(りくけいさす)といって、長い年月の間に、砂が運ばれて堆積したことにより陸続きとなったものです。
人が住んでいないため、交通は不便です。
観光地として訪れる人も少なく、手つかずの自然が残っています。
釣りスポットとしては人気で、車で行こうと思えば行けないことはありません。
ただし、道中は離合できるような道幅はありません。
佐潟鼻の岩は、波の浸食により削られ変わった形になっています。
佐潟鼻に入るとすぐに大きな洞窟があります。
道もこのとおり洞窟をくぐって進みます。
はじめは、「これが佐潟の洞窟?」と思っていました。
ところが本物の洞窟は、まだ佐潟鼻の奥のほうにあります。
佐潟の洞窟への道
まず、佐潟鼻の北側にあるコンクリートの道沿いを進みます。
コンクリートの歩道が終わると、砂と岩石のゴロゴロした海岸を奥へと進みます。
さらにその先は山沿いの小道に入ります。
迷わないように岩に目印がつけてあります。
草が払ってあるので迷うことはありませんが、夏になるとヤブ漕ぎになる可能性もあります。
海沿いに金網のフェンスがあるところで行き止まりです。
そこから岩壁を見ると、標柱が立っています。
阿久根の七不思議
佐潟鼻入口の案内板には、こうあります。
「間口は1mほどの幅で、そこからさらに狭く、30cmと大人が出入りするのがやっとの幅になる。奥に入るとだんだん開けて、高さ5m、幅6m、奥行きは 35mにも及んでいる。」
自然にできたとはいえ、そのスケールにビックリします。
「甑島(こしきじま)までつながっていたと語り継がれ、阿久根の七不思議のひとつとなっている」
甑島まで海を隔てて 30 kmくらいあります。
「つながっていた」という過去形なので、現在はつながっていないのでしょう。
万一、つながっていたとしても海水が満ちていて、人が甑島まで行けるとは思えません。
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洞窟のなか
案内板にある通り、洞窟の入口はとても小さいです。
この記事を読んでいる方は、穴の中の写真をご期待と思います。
この日の朝、地震がありました。もし閉じ込められたらヤバそうです。
残念ながら、穴の中にに入る勇気はありませんでした。
帰り道
よく見ると海岸の岩は、かなり上のほうまで浸食されています。
もしかして、満潮になると道が海になって帰れなくなるのでは?と思い、「潮汐なび」で確認してみました。
満潮より少し引いたくらいで、この景色です。
通常時は満潮で道が海になる心配はありません。
ただし、コンクリート道路の終端部分だけは、少し浸かるかもしれません。
360°の絶景
今回、洞窟を見に行ったのですが、洞窟以上に目を奪われたのが、その風景です。
阿久根大島と、背景に風車がかすかに見える長島方向の景色です。
自然の造形美、海食柱の姿です。
美しい釣り場は、釣れなくても楽しそうです。
浅いところで見ると、海の水が透明なのがわかります。
当たり前ですが、砂州部分は海にはさまれています。
砂地の部分は、海の色が白っぽく見えます。
洞窟があったのは、ちょうど写真の真ん中あたりです。
海の先に見えるのは、吹上浜です。
薩摩川内方面です。
西目から牛ノ浜方向のながめです。
佐潟鼻へ行く途中見えた佐潟港です。
秘かに360°の、美しい景色が楽しめる場所でした。
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