霧島神宮古宮址は、鹿児島県霧島市田口にある霧島神宮の元宮です。
1234年の御鉢の大噴火までは霧島神宮が鎮座していた場所になります。
現在は、高千穂河原とよばれる、高千穂峰や中岳への登山拠点になっています。
高千穂河原
現在は、霧島神宮古宮址一帯を高千穂河原とよんでいます。
古くは瀬多尾越えとよばれていました。
天の逆鉾のある高千穂峰へ登る、最短ルートの登山口となります。
御鉢、中岳、新燃岳への登山口ともなるため、霧島山登山の一大拠点となっています。
駐車場、ビジターセンター、キャンプ場などが整備されています。
5月下旬にはキリシマツツジが見ごろとなります。
ツツジの群生地・鹿ヶ原へは約20分で着きます。
ただし、ツツジの開花時期は、高千穂河原の駐車場まで、約 30 kmもの車の列ができることがあるそうです。
ちなみに新燃岳の噴火警戒レベルによって、休場となることがあります。
キャンプ場は、訪れた日は休場中でした。
高千穂河原ビジターセンター
入山前にルートの説明と同時に、注意事項と火山情報などを教えてくれます。
高千穂峰までは、約1時間半から2時間です。
帰りは1時間から1時間半が目安時間です。
登山しない人も、霧島の情報が集まっていて楽しめます。
高千穂河原からは、手前の御鉢の姿は良く見えますが、高千穂峰は御鉢の後方なので見えません。
駐車場入り口の方の石のテーブルまで下がると、御鉢の間から高千穂峰の山頂を見ることができます。
霧島神宮の古宮
霧島神宮古宮址は、霧島神宮の飛地境内となります。
当初の霧島神宮は、高千穂峰と御鉢の間の背門丘(せとお)に元宮がありました。
しかし、火山の噴火により焼失しています。
霧島神宮は、天歴年間(947年~957年)に高千穂河原に再興されました。
しかし、1234年にまたしても御鉢の大噴火により、高千穂河原の社殿も失ったのでした。
その後、仮宮を経て現在地へ遷座されています。
霧島六所権現
一口に霧島といっても、宮崎県から鹿児島県まで、広範囲にわたります。
霧島神宮は長年の間に、霧島山の噴火により移されたり、分社や合祀を繰り返しています。
複数になっていた霧島神社を体系立てたのが、霧島で修行していた修験者、性空上人(しょうくうしょうにん)でした。
この六社を、霧島六所(社)権現とよんでいます。
高千穂河原ビジターセンターで、「霧島六社めぐり」の手書き案内をいただきました。
霊峰霧島
宮崎県と鹿児島県の県境付近に広がる火山群を霧島山とよんでいます。
この山が、固有の霧島山というわけではなく、一連の火山群を霧島山とよんでいます。
山の他にも、火口に湧水がたまり湖になったものや、側火山であったが浸食で火口の地形が残っていないものもあります。
なかでも、ご神体とされるのは、高千穂峰を指す場合が多いです。
まさに天孫が降臨された場所が、高千穂峰の山頂であるためです。
高千穂峰の山頂には、大地を造る際に使った餅が天を向いて刺さっています。
いわゆる天の逆鉾です。
主な構成山岳
韓国岳(からくにだけ)
1700m
霧島連山最高峰の山です。頂上は火口となっています。
高千穂峰(たかちほのみね)
1574m
天孫降臨の舞台で、天の逆鉾はあまりにも有名です。
新燃岳(しんもえだけ)
1421m
最近大爆発の多い、最も活発な火山です。
御鉢(おはち)
1408m
現在も活動を続ける活火山です。
白鳥山(しらとりやま)
1,363m
比較的古い時期に活動していた火山です。
夷守岳(ひなもりだけ)
1,344m
生駒富士ともよばれる山容が特徴の、比較的新しい山です。
栗野岳(くりのだけ)
1,094m
最西部に位置する、霧島連山のなかでは最も古い火山になります。
2つの高千穂
実は、日向国(現在の宮崎県)には、2つの高千穂が存在しています。
霧島山の高千穂峰と、西臼杵郡の高千穂町です。
天孫降臨の地については、論争があるところです。
いずれにしても、その伝説にまつわる伝説や神社が多く残っているのが日向の地なのです。
高千穂河原
観光パンフレット
リンク先から、霧島市の観光パンフレットがお取り寄せできます。
まとめ
高千穂峰は霧島連山の登山ベースとしての印象が強くありました。
しかし、霧島観光をする際は訪れるべき観光地であることがわかりました。
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