腹五社神社は、鹿児島県鹿児島市黒神町にある神社です。
桜島の黒神埋没鳥居といったほうが、知名度が高いかもしれません。
黒神埋没鳥居からは、桜島大噴火のパワーが伝わってきます。
桜島の大正大噴火
桜島は今でこそ九州本土と陸続きという感覚が当たり前になっています。
しかし、1914年(大正3年)までは錦江湾に浮かぶ島でした。
大正大噴火により大量の溶岩が流出したことにより、海峡が埋まってしまいました。
この時、大隅半島と陸続きになったものです。
大正大噴火では高温の火山弾で島内のあちこちで火災が発生しています。
また、火砕流によって溶岩に覆われた集落もありました。
鳥居の埋没
風下だった黒神町では、火山灰や軽石が2mも積もったといわれています。
腹五社神社の鳥居は、もともと3mの高さがありましたが、上部の1mしか姿が見えなくなりました。
大正大噴火の後、住民は鳥居を掘り起こそうとしていました。
しかし、当時の村長は「後世に噴火の記憶を残そうと」と、埋没した状態で残したのだそうです。
大正噴火から 100年以上たった現在でも、当時の噴火を伝える災害遺産として残っています。
噴火の大きさを伝えるのに十分なインパクトがあり、多くの人が訪れる観光スポットとなっています。
ご祭神・ご利益
天孫三代とその配偶神となります。
- 瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)と木花開郁姫命(このはなさくやひめのみこと)
- 彦火々出見尊(ひこほほでみのみこと)と豊玉姫命(よよたまひめのみこと)
- 鵜鷲草葺不合尊(うがやふきあえずのみこと)と玉依姫命(たまよりひめのみこと)
家内安全・健康・学業成就・縁結びなどにご利益があるとされています。
境内
黒神埋没鳥居は、桜島でも有数の観光地となっています。
駐車場には入れ替わり立ち代わり車が入ってきます。
もし桜島が噴火した場合は、コンクリート製の退避豪に入ります。
腹五社神社・黒神埋没鳥居は鹿児島県道26号桜島港黒神線沿いです。
駐車場の前にある学校は、鹿児島市立黒神中学校です。
桜島の大噴火の経験から、防災教育では先人の教訓を語り継いでいます。
それでは参拝です。
黒神中学校の敷地が、腹五社神社への参道を横切っています。
黒神町は桜島の東側です。
火口からみると風下にあたることが多い地区です。
過去の噴火でも、噴石や火山灰による被害が発生していました。
大正大噴火では、687 戸が埋没したという記録が残っています。
埋没門柱
埋没鳥居の 200m北側には、民家の門柱が埋没した状態で残されています。
この門柱はもともと2.5mの高さがあったといわれています。
すっぽりと埋まってしまい、頭の部分が地面と同じ高さになっていました。
大正大噴火のときの教訓は、しっかりと代々語り継がれているようです。
訪れた日の桜島山頂は、雲なのか噴煙なのか白いベールに包まれていました。
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