松ヶ浦シーサイドバークは、鹿児島県南九州市にある公園です。
海岸では、明治時代まで使われていた石灰焼釜(へやっがま)を見ることができます。
知覧町
知覧は、特攻平和会館や武家屋敷庭園で観光地として有名な町です。
2007 年(平成 19 年)に、隣接する川辺町および穎娃町と合併し、南九州市となっています。
知覧町は、山に囲まれた盆地や台地のイメージが強いのですが、町の南部は海に面していました。
松ヶ浦シーサイドバークは、旧知覧町の南別府にある東シナ海を臨む海岸に造られた公園です。
四角場浜
四角場浜というのは、松ヶ浦シーサイドパークに広がる海岸です。
入り江に砂浜が造成されています。
夏休み期間には、シャワー室や更衣室を使うことができます。
ただし、海水浴場としては解放されていません。
水遊びをするのには、いい海岸です。
へやっがま
「へやっがま」というのは、江戸時代から明治時代に石灰を造るため使っていた、石灰焼釜のことです。
漢字で書くとそのまま「石灰焼釜」なのですが、この地方の方言で「へやっがま」と読みます。
四角場浜の一角には、「へやっがま」が残っています。
鹿児島の人は、灰のことを「へ」といいます。
ハエのこともオナラのことも「へ」といいます。
石灰を焼く釜のことは「へやっがま」と言っていました。
知覧の海岸でとれたサンゴ石を原料に、石灰を生成していました。
鹿児島県で古い石灰焼釜が残っているのは、唯一松ヶ浦シーサイドバークのものだけです。
秘密のベール
四角場浜を造成したとき、釜の下部は砂の中に埋まってしまいました。
さらに、少しづつ砂に埋まっています。
みさき道人 “長崎・佐賀・天草etc.風来紀行” 2014年10月の写真
へやっがまの標柱を見ると、以前のほうが砂に埋まっていないことがわかります。
また、裏のヤブも成長が進み全容がよく見えません。
へやっがまは一部だけをのぞかせ、残りは秘密のベールに包まれています。
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