藺牟田(いむた)池は、鹿児島県薩摩川内市祁答院(けどういん)町にある観光スポットです。
大正時代までは、畳表の原料となる藺草(いぐさ)の生産地であり、藺牟田池という名前の由来になっています。
アクアイム
藺牟田池観光の中心施設は、祁答院生態系保存資料施設アクアイムです。
藺牟田池の特殊な環境に生息する、生物や資料を見ることができます。
1階は主に淡水魚水族館で、ドクターフィッシュの角質取やザリガニつりを体験することもできます。
2階が藺牟田池の生態系を中心とした資料室となっています。
営業時間 | 10:00~17:00 |
定休日 | 毎週月曜日(祝日の場合翌日) |
入館料 | 大人260円 子供130円(中学生以下) |
ラムサール条約登録湿地
ラムサール条約というのは、生態系にとって、国際的に重要な湿地を保全する条約です。
全世界で2000 カ所以上、日本でも46カ所が登録されています。
貸ボート
湖畔のお店では、ボートや自転車の貸出をしています。
白鳥は藺牟田池に住み着いているらしく、ボートといっしょに泳いでいます。
貸ボート(3月~10月) | 400円 |
レンタルサイクル | 1人乗り 400円 2人乗り 500円 |
鳥のエサ | 1袋100円 |
藺牟田池キャンプ場
湖畔にある芝生のフリーサイトキャンプ場です。
車の乗り入れができるので、オートキャンプができます。
持込テント料金はなんとお一人様 200円、高コスパキャンプ場として知られます。
シャワーやお風呂はありませんが、車で少し走ると藺牟田温泉があります。
なんと、こちらの温泉もお一人様 150円と高コスパで有名です。
藺牟田温泉下ノ湯
釣りスポット
一部区域を除いて、釣りができる湖です。
特に、特定外来種であるブラックバスやブルーギルは駆除のための釣りを歓迎しています。
藺牟田池は、最大でも水深3m程度で、堆積物でうまりつつあります。
浅いポイントが多いです。
つりをしている人をながめていると、高確率でヒットしていたのがライギョです。
ライギョは、中国あたりから入ってきた外来種です。
1mを超して成長する個体もいる肉食性の大型魚です。
見た目がヘビみたいな顔をしていますが、観賞魚としては人気の魚です。
藺牟田池にいるのはカルムチーという、日本では一般的なライギョだと思います。
ライギョは、特定外来種に指定されていません。
在来生物に対する影響が軽微であるためとされています。
藺牟田池では、ライギョの駆除も推奨しているようです。
大きな体と鋭い犬歯は、間違いなく多くの在来種を捕食しているはずです。
ただし、ライギョは水草がないと繁殖できません。
日本国内では治水工事が進み、個体数が減る傾向にあるようです。
カルデラ湖と登山
簡牟田池が形成されたのは、約50万年前から35万年前といわれています。
簡牟田火山の活動により、カルデラが形成され水がたまって湖となったものです。
池を取り囲む山は外輪山です。
それぞれの山に登ることができますし、縦走もできるみたいです。
外輪山
- 愛宕山 480m
- 船見岳 498.5m
- 竜石 460m
- 山王岳 480.0m
- 片城山 508.8m
- 遠見ヶ城 477m
- 飯盛山 432m
泥炭と浮島
井牟田池の西側一帯は低層湿原となっていて、挺水植物が群生しています。
この植物が枯れて堆積して炭化したものを、泥炭(でいたん)といいます。
通常、草木が枯れると分解されてしまうのですが、水中にあることで分解されずに凝縮され泥炭となります。
気温の低い北日本の沼地などで見ることが多いのですが、温暖な九州でみることができるのは希少です。
泥炭の状態からさらに何万年もかけて炭化が進み石炭となります。
浮島というのは、この泥炭の一部が湖底から離れて水面に浮きあがったものです。
浮島は水に浮いているので、風によって動きます。
世界一の郷水舎
蘭牟田池の少し下流にあるのが、世界一の郷水舎です。
直径は 13.2mです。
ここから滝ノ山川沿いに藺牟田池方向に進むと、夫婦竜橋があります。
藺牟田池の伝説
昔むかし、藺牟田池には仲むつまじい男竜と女竜がすんでいました。
ある日、男竜はこっそり池をぬけだして、霧島の大波の池に住む女神とくらすようになりま す。
女竜は男竜の無事を祈り、かげ膳を供え続けました。
その陰膳が積もり積もったのが飯盛山といわれています。
ある日、男竜が大波の池にいると伝え聞き、女竜は大波の池に行こうと雲に乗ろうとします。
しかし、雲に手が届かず滑っては山の斜面を崩すばかりでした。
その時できた山が愛宕山です。
そこで女竜は霧の深い夜に、雲に乗ろうとします。
しかし急に霧が晴れ、竜岩に姿を変えてしまったのでした。
藺牟田池へ戻った男竜は、変わり果てた姿の女竜に幾度も謝り続けました。
夫婦の竜を再会させるために始まったのが、竜神祭と伝えられます。
まとめ
簡牟田池は、薩摩地方の方は良く知る観光スポットのようです。
思っていた以上に駐車場に車が停まっています。
目的はそれぞれ違っています。
- ボートに乗りに来た人
- ウォーキングやサイクリングに来た人
- アクアイム(資料館)を見に来た人
- 釣りをしに来た人
- 登山している人
- キャンプをしている人
- 単に観光に来た人
- 仕事の合間に気晴らしに来た人
- 家に居づらく、時間つぶしに来た人
近くなら毎週行くし、なんならこのカルデラの中に住みいと思ったスポットでした。
藺牟田池
世界一の郷水舎