薩摩湖は、鹿児島県日置市吹上町にある湖です。
見るからにマイナースポットですが、かつては南薩摩を代表する観光地でした。
かつての南薩観光の中心地
薩摩湖は吹上浜に砂丘ができていくうちに、海が陸地に取り残さてできた湖です。
現在はひっそりとしていますが、昭和30年代は南薩観光の中心地でした。
薩摩湖は、かつての南薩鉄道枕崎線の沿線にあります。
1952年(昭和 27年)から、南薩鉄道によりレジャー施設として開発された経緯があります。
1955年(昭和 30年)に、南薩鉄道は薩摩湖駅を新設します。
駅周辺に吹上遊園地を開設、中之島にはバラ園が造園され、湖面には遊覧船や貸しボートが浮かんでいました。
開園当初はインパクトが大きく、活況を呈していました。
しかし、地理的にいうと鹿児島県の端にあるリゾートです。
利用客はすぐ減少に転じ、遊園地は4~5年で閉園となっています。
南薩鉄道も手をこまねいていたわけではありません。
1962年(昭和37年)からはさつま湖花火大会を開催しています。
しかし、南薩鉄道は鉄道本体の経営もままなりません。
1964年(昭和39年)三州自動車と合併し鹿児島交通となりました。
薩摩湖ロープウェイ
南薩鉄道の薩摩湖開発の目玉が「薩摩湖ロープウェイ」でした。
薩摩湖駅から薩摩湖の対岸に運行された、九州初のロープウェイです。
南薩鉄道薩摩湖駅側が「吹上遊園地駅」、対岸側を「つつじが丘駅」とよんでいました。
吹上遊園地開園から1年遅れで、1956年(昭和31年)に運行を開始しています。
九州初というインパクトもあり、薩摩湖集客の主役でした。
1968年(昭和43年)に運行を休止しています。
グーグルマップで見ること、つつじヶ丘駅はこんな感じです。
現在の状況
現在の状況は、南薩の一大観光地であったようには見えません。
薩摩湖駅あたりは吹上浜公園の一角となっています。
対岸側のつつじが丘駅と中之島は立入禁止です。
催事広場や遊覧船乗り場のあったところは、鹿児島交通バスの転回場となっていて入れません。
吹上高校前のさつま湖バス停あたりから、薩摩湖を見渡すことができます。
ブラックバス釣り
薩摩湖では釣りができます。
コイ、フナ、ライギョ、ブラックバス、ブルーギルなどが釣れるようです。
漁協による、遊漁券やボート使用の注意表示などは見当たりませんでした。
薩摩湖で漁業は行われていないのかもしれません。
ブラックバス釣りをする際には、ボートが使えます。
見た感じみなさん使っているのは、フローターのようでした。
ボートを降ろすポイントが見当たりませんでしたので、アルミは厳しいのかもしれません。
おかっぱりは桟橋とその両岸がメジャーなポイントです。
訪れた日も、釣りをしている人は、桟橋周辺にしかいませんでした。
場所 鹿児島県日置市吹上町中原
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