三井三池炭鉱は、かつて福岡県大牟田市と熊本県荒尾市にまたがってあった炭鉱です。
坑口ごとに記事を書いた結果、全体像が見えづらくなったのでまとめておきます。
三川坑
1940年 (昭和15年) ~ 1997年 (平成9年) | 戦中戦後の主力坑 |
三川(みかわ)坑は、閉山時の主力坑で、生々しい遺構が残り見ごたえがあります。
しかし、昭和時代に開削されたため、世界遺産には登録されていません。
三井三池炭鉱三川坑は、かつて福岡県大牟田市にあった三井三池炭鉱の坑口です。 昭和の主力坑で、1997年(平成9年)の閉山まで揚炭が行われていました。 最後の坑口 三川坑は、[…]
三池港
1908年 (明治41年)~ | 閉山後も活躍する重要港湾 | 世界遺産 |
三池港は、遠浅な有明海に大型船の接岸を可能にした、三池炭鉱の重要インフラです。
炭鉱閉山後も築港時の風景のまま、大型船が入出航します。
三池港は、福岡県大牟田市にある重要港湾です。 日本では珍しい閘門式ドックを持つ港となります。 三池港展望所 三池港を見学するなら、三池港展望所を訪れることをおススメします。[…]
三池鉄道
1891年(明治24年) ~2020年 (令和2年) | 炭鉱専用鉄道だった炭鉱電車 | 世界遺産 |
各坑口と鹿児島本線や三池港を結び、石炭や資材はもちろん、社員の通勤も担った鉄路です。
三池鉄道というのは、福岡県大牟田市と熊本県荒尾市で運行されていた、 三池炭鉱専用鉄道の通称です。 三池炭鉱とともに成長し、そして縮小しています。 専用鉄道 三池炭鉱での軌道[…]
四山坑
1923(大正12年) ~1965年 (昭和40年) | 三池争議組合員刺殺事件で知られる |
四山(よつやま)坑は、ワイディングタワー式とよばれる巨大な竪坑櫓が象徴的でした。
1996年 (平成8年) に解体され、現在は太陽光発電所になっています。
四山(よつやま)神社は、熊本県荒尾市にある神社です。 社地は有明海を見下ろす、四山(よつやま・56m)の山頂になります。 四山坑 四山神社の境内からは、三井三池炭鉱の四山([…]
万田坑
1902年(明治35年) ~1951年(昭和40年) | 大正から戦前の主力坑 | 世界遺産 |
万田坑は揚炭終了後も、坑内メンテナンス坑口として閉山まで使われていました。
その分、明治時代の建物や設備が残されていて、観光地化しています。
万田坑というのは、熊本県荒尾市にある三井三池炭鉱の坑口です。 明治時代から昭和初期にかけての主力坑口で、1951年(昭和26年)に採炭を終えています。 戦前までの主力坑口 […]
宮原坑
1898年(明治31年) ~1931年(昭和6年) | 明治時代後半の主力坑 | 世界遺産 |
宮原坑は、明治時代の主力坑の排水を目的としていましたが、出炭量も増加し主力坑となりました。
訪れるとガイドさんが案内してくれます。
宮原(みやのはら)坑は、福岡県大牟田市にあった三池炭鉱の坑口です。 1931年(昭和6年)に閉坑していますが、現在も竪坑櫓が残されています。 当初は排水が主目的 明治時代の[…]
勝立坑
1895年(明治28年) ~1928年 (昭和3年) | 官営化後3番目の近代化坑口 |
勝立(かっだち)坑は、大浦坑・七浦坑に次ぐ管制三池炭鉱の近代化坑口です。
揚炭がはじまるのは経営が三井に移ってからでした。
三池炭鉱勝立(かっだち)坑は、福岡県大牟田市にある廃坑です。 明治時代の主力坑にひとつですが、現在はその面影はほとんどありません。 管制時代の近代化 黒沢永紀オフィシャルブログ 三池炭[…]
宮浦坑
1887年(明治20年) ~1968年 (昭和43年) | 1923年(大正12年) 開坑した大斜坑で再生 |
宮浦坑は、竪坑のほかに大斜坑を開削し、延命した坑口です。
現在は、宮浦石炭記念公園として整備され、坑口跡を見学できます。
宮浦石炭記念公園は、福岡県大牟田市にある公園です。 旧三池炭鉱宮浦坑の一部で、炭鉱時代の遺構が残されています。 旧三池炭鉱宮浦坑 宮浦石炭記念公園に残る、炭[…]
三角西港
遠く離れた熊本県の三角西港も、明治日本の産業各革命遺産のひとつとなっています。
三池港が完成するまでは、三池炭鉱で採れた石炭の積出を行っていたためです。
三角(みすみ)西港は、熊本県宇城市三角町にある港です。 現在、三角港といえば、新港である三角東港を指します。 三角西港は、いわば三角旧港ということになります。 レト[…]
その他の坑口
上記以外にも重要な坑口があったのですが、ほとんどの建物は解体されています。
用地も転用され、観光用に公開されていません。
大浦坑
1857年~1926年(大正15年) | 官営化後初の近代坑口 |
坑口跡は現存していますが、大牟田市の一般産業廃棄物処分場の敷地内です。
黒沢永紀オフィシャルブログ 三池炭鉱大浦坑
普段は場内からの見学はできません。
七浦坑
1883年(明治16年)~1931年(昭和6年) | 明治の主力坑のひとつ |
黒沢永紀オフィシャルブログ 三池炭鉱七浦坑
工場の敷地内であるため、見学はできません。
有明坑
1976年 (昭和51年) ~1997年 (平成9年) | 1984年 (昭和59年)の火災事故で知られる |
黒沢永紀オフィシャルブログ 三池炭鉱有明坑
2007年 (平成19年)に大半の建物は解体され、 2012年 (平成24年)には、竪坑櫓も解体されています。
沖四津山坑
1965(昭和40年) ~1987年 (昭和62年) | 有明海へ坑道が伸び、四山坑の沖に開かれた坑口 |
想い出の三池炭鉱 沖四山坑
建物はすべて解体され、現在も立入禁止区域になっています。
まとめ
三角西港をのぞく写真は、1日で撮ったものです。
予定では三池鉄道の駅跡や橋脚跡、石炭産業科学館も見る予定でしたが、 1日ではムリでした。
三池炭鉱の遺構を、ゆっくり見るなら2日かけて見学するのがおススメです。