豊玉姫神社(鹿児島県)

豊玉姫神社 知覧を治めた竜宮の女神

豊玉姫は、山彦幸の妻となった乙姫さまのモデルです。

豊玉姫神社(鹿児島県)

豊玉姫神社は、竜宮伝説の残る全国各地に鎮座しています。

この記事は、鹿児島県南九州市知覧町の豊玉姫神社について書いています。

豊玉姫の伝説

知覧には、豊玉姫にかかわる様々な言い伝えが残っています。

豊玉姫神社(鹿児島県) 鳥居

これらの伝承は開聞地方の竜宮伝説からつながっています。

豊玉姫神社(鹿児島県) 入口

豊玉姫はかつて知覧を統治し、妹君の玉依姫がおとなりの川辺を統治していたとされます。

豊玉姫神社(鹿児島県) 鳥居

本来は逆で、豊玉姫が川辺へ、玉依姫が知覧へ向かうことになっていました。

豊玉姫神社(鹿児島県) 手水舎

お二人は、開聞から知覧と川辺に向かう道中、取違という場所にお泊りになりました。

豊玉姫神社(鹿児島県) 手水

そこで、玉依姫は、川辺が水田に富むことをお知りになり、先に川辺へ向かわれました。

豊玉姫神社(鹿児島県) 夫婦イチョウ

豊玉姫はしかたなく知覧に入られたのだといいます。

豊玉姫神社(鹿児島県) 石燈篭群

取違という地名は、本来行くべきところを取り違えたのが由来だそうです。

歴史

豊玉姫神社は、崩御後、宮居の跡に社殿を建てたのがはじまりとされています。

豊玉姫神社(鹿児島県)

当初の鎮座地であった宮居跡は、知覧城の出城であった、亀甲城のふもとにあったとされています。

豊玉姫神社(鹿児島県)

1600 年代の初頭に火災に遭い、社殿が焼失しています。

豊玉姫神社(鹿児島県)

1610年、当時の領主、島津忠充が現在の鎮座地を寄進し再興したものです。

ご祭神

主祭神

豊玉姫命(とよたまひめのみこと)

豊玉姫神社(鹿児島県) 拝殿

夫となる彦火火出命との子供が、鵜草葺不合尊(うがやふきあえずのみこと)です。

豊玉姫神社(鹿児島県) 拝殿

すなわち、神武天皇の祖母ということになります。

相殿神

豊玉彦命(とよたまひこのみこと)

豊玉姫神社(鹿児島県) 拝殿

豊玉姫命の父君、海の神さまです。

彦火火出命(ひこほほでみのみこと)

豊玉姫神社(鹿児島県) 社殿

乙姫さまと結ばれた、山彦幸のモデルとなった神さまです。

玉依姫命(たまよりひめのみこと)

豊玉姫神社(鹿児島県) 神殿

豊玉姫命の妹君です。

ご利益

各地の豊玉姫神社と同様に、安産のご利益があるのは有名です。

豊玉姫神社(鹿児島県)

お産が軽く、しかも美形の子供が生まれるといわれています。

豊玉姫神社(鹿児島県)

また、縁結び、育児の神さまです。

豊玉姫神社(鹿児島県) 男銀杏

主祭神は、もともと海神のご息女であり、海上安全のご利益があるとされています。

豊玉姫神社(鹿児島県) 女銀杏

水車からくり

豊玉姫神社(鹿児島県) からくりのやかた

豊玉姫神社の例祭では、水車を動力としたからくり人形が上演されています。

豊玉姫神社(鹿児島県) 水車からくり

江戸時代から続く、国の無形文化財となっています。

豊玉姫神社(鹿児島県) 水車からくり

例祭は六月灯といい、毎年7月9日から10日です。

豐玉姫陵

豊玉姫陵

亀甲城跡から東へ行った水田の中に、豊玉姫の御陵とされる「豊玉姫陵」があります。

豊玉姫陵

意外とマイナースポットなのか、駐車場がなく路上駐車でみることになります。

豊玉姫陵

歩いて行くのが定番なのかもしれませんが、武家屋敷通りからは少し距離があります。

豊玉姫陵

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