くじらの眠る丘は、鹿児島県南さつま市大浦町にあります。
中心施設は、くじらの形をした変わった建物です。
マッコウクジラ集団座礁事件
2002年(平成14年)に、近くの海岸で 14 頭ものマッコウクジラが座礁しています。
くじらの形をした建物には、このくじらの骨格標本が展示されています。
この事件の時は、座礁くじらをなんとか救出しようと 11 日間にわたって作業が続けられました。
しかし、作業の甲斐もむなしく、救出できたのは1頭のみで、13 頭は息を引き取りました。
それでも、大型クジラの座礁で救出できたのは珍しい事例です。
それほど、数十トンもある大きなクジラを動かすのは難しいことなのです。
なぜくじらは座礁するのか?
このあたりでは、くじらが座礁するのは珍しいことではありません。
くじらが座礁する原因は、現在もハッキリとは解明されていません。
いろんな説がありますが、主には次のようなものです。
・エサを追うのに夢中になったり、外敵から逃れるために浅瀬に入る
・台風や地震などの自然現象により、混乱して浅瀬に入る
・鯨類特有の音響&磁場探知能力が、何らかの理由で混乱してしまう
南薩沖は、商業捕鯨が行われていたとき、三陸沖、土佐周辺と並ぶ日本の三大捕鯨場でした。
吹上浜周辺でわかっていることは2点です。
1.くじらの回遊ルートであること
2.遠浅な海岸であること
2002年(平成14年)のマッコウクジラ座礁事件のように、一度に 14頭ものくじらが座礁するのは近年例がありませんでした。
座礁クジラ記念碑
マッコウクジラは小さいものでも 20t、大きなものは 40tもあります。
座礁したのは2月であり、強風で海がしけるなかでの作業でした。
くじらが息を引き取ったあとも、動かすのが大変でした。
この時の記憶と、犠牲になったクジラたちを忘れないために、記念碑が建てられています。
クジラの骨格展示施設
2002年(平成14年)の座礁事件から10年後、海岸に埋葬されたくじらを掘り出し、骨格標本が作製されました。
くじらの眠る丘のクジラ型の建物は、この骨格標本を展示するための施設です。
1階のガラス張りの中にクジラの骨格標本があり、24 時間いつでも見ることができます。
標本は、建物の横幅の大部分を占めており、マッコウクジラの大きさがよくわかります。
2階部分はロフト状になっていて、標本を俯瞰できるようになっています。
ただし、2階に入れるのは9:00~17:00 となります。
さらに屋上に登ることができます。
屋上からは、くじらの眠る丘を一望できます。
海の方には、干拓によって作られた農地が広がっています。
くじらが座礁したのは、この先の小湊干拓の海岸でした。
施設情報
くじらの骨格展示施設の1階部分は、24 時間いつでも観覧できます。
ただし、クジラの眠る丘は20:00 消灯となっています。
定休日 | 年中無休 |
営業時間 | 1階 いつでも自由に観覧できます 2階 9:00~17:00 |
照明時間 | 日没~20:00 |
入場料 | 無料 |
場所 | 鹿児島県南さつま市大浦町 29451 |
大浦特産品販売所ふるさとくじら館
ふるさとくじら館は、くじらが眠る丘にある物産館です。
くじらの眠る丘の目的は、座礁くじらの記録を後世に残し追悼することです。
それに止まらず、観光資源として有効活用する目的もあります。
そこで、物産館の名称も「ふるさとくじら館」となっています。
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