2020 年(令和2年)7月の熊本県南部豪雨により、被災された皆さまには心よりお見舞い申し上げます。
球磨川水系の損害は、夏目友人帳の聖地にも及びました。
この記事は、被災から1年6か月たった2022年(令和4年)冬の復興状況をまとめたものです。
祓川橋
©緑川ゆき・白泉社/「夏目友人帳」製作委員会
祓川橋(はらいごうばし)は、まだ再架設工事ははじまっていません。
あらためて川をながめてみると、想像を絶する水流だったことがわかります。
市房山登山口の祠は健在です。
市房山の標高は1,721mです。 登山家にとっては、山道に木の根や岩などが多くけっこう険しいため、中級者向きの山といわれています。 霊峰 地元では市房山神宮が鎮座する山であり、信仰の対象となってい[…]
市房ダム
©緑川ゆき・白泉社/「夏目友人帳」製作委員会
市房ダム自体は被災していませんが、ダム湖に土砂がどっさり流れ込みました。
土砂を取り除く工事をしているため、大型トラックが絶え間なく走ります。
場所 熊本県球磨郡水上村湯山
市房ダムは、爆発的な集客をしている観光名所です。 といっても、観光客がたくさん訪れるのは桜の開花時期だけです。 市房ダムのある水上村では、ダムを造るときに、ダム湖にサクラを植えました。 サクラが成[…]
雨宮神社
©緑川ゆき・白泉社/「夏目友人帳」製作委員会
雨宮神社の被災はありません。
雨宮の森まで水がきたため、農地の復旧工事をしています。
雨宮神社は、熊本県球磨郡相良村にある、雨乞いで有名な神社です。 今回はトトロの森ならぬ、雨宮の森に鎮座する、雨宮神社の記事です。 雨宮の森 =トトロの森 川辺川は、国土交通省が公表する一[…]
淡島神社
©緑川ゆき・白泉社/「夏目友人帳」製作委員会
被災したのは淡島神社参道入口の、藤田商店前の道路です。
©緑川ゆき・白泉社/「夏目友人帳」製作委員会
藤田商店は、三ッ森ストアのモデルといわれていました。
道路の仮復旧は終わっていますが、藤田商店は残念ながら解体されていました。
ガードレールが川原に落ちたままです。
1989年(明治22年)に山田村と万江村が合併してできたのが球磨郡山江村です。 淡島神社は人吉市から旧万江村の谷を上流に向かう必要があります。 万江地区のパワースポットと言われているのが淡島神社です。 […]
人吉駅
©緑川ゆき・白泉社/「夏目友人帳」製作委員会
人吉駅の機能自体は復旧していますが、線路も被災し列車が乗り入れていません。
駅前に並んでいるバスは、くま川鉄道の代替バスです。
くま川鉄道湯前線の復旧は決定していますが、肥薩線は今のところ未定です。
場所 熊本県人吉市中青井町
かつての交通の要所人吉駅は、現在も肥薩線(川線、山線)湯前線の発着駅です。 鉄道で訪れる方の玄関口であることは変わっていません。 そしてアニメ聖地でもあります。 アニメの聖地 人[…]
鍛冶屋町
©緑川ゆき・白泉社/「夏目友人帳」製作委員会
鍛冶屋町は、比較的元に近い姿に復旧しつつあります。
しかし市街は、ガラリと町並みが変わってしまう場所のほうが多くなりそうです。
ウンスンカルタというのは、ポルトガルから伝わったカードゲームです。 どういうわけか、全国で熊本県人吉市だけで、現在も遊び続けられています。 知る限りで人吉市は、ポルトガルとは縁もゆかりもありません。 […]
球磨川第三橋梁
©緑川ゆき・白泉社/「夏目友人帳」製作委員会
流失を免れた球磨川第三橋梁ですが、豪雨後まだ1本も列車は通っていません。
くま川下りの発船場はリニューアルし営業中です。
日本三大急流のひとつ球磨川は、人吉市内こそ流れが緩やかですが、球磨村に入ると急流となります。 くま川下りは球磨川の中流域を使うため、年間通じて流量も安定しています。 日本三大急流とは 最上[…]
人吉城址
©緑川ゆき・白泉社/「夏目友人帳」製作委員会
被災前から計画されていたのか、被災したからかわかりませんが修復工事中でした。
場所 熊本県人吉市麓町
人吉城は、相良氏が35代670年にわたり居城したお城です。 上原淳也さんによる写真ACからの写真 相良氏の入城 築城は定かではありません。 鎌倉時代、元々この地は平頼盛の家臣である、矢瀬主馬佑[…]
大畑駅
©緑川ゆき・白泉社/「夏目友人帳」製作委員会
大畑駅は被災していませんが、豪雨以降列車の入線がありません。
それでも訪れる人は少なくなく、美しく保たれています。
名刺が以前より増えています。
レストランやホテルにとっては、鉄道の運休と新型コロナウィルスのダブルパンチでした。
場所 熊本県人吉市大野町
大畑(おこば)駅は、熊本県人吉市にあるJR九州肥薩線の駅です。 日本で唯一、ループ線とスイッチバックをあわせ持つ駅となります。 したがって、鉄道ファンの間では、ちょっとばかり名の知れた駅です。 ひ[…]
西瀬橋
©緑川ゆき・白泉社/「夏目友人帳」製作委員会
西瀬橋は、流失部分に仮橋を架けたため通行できます。
本復旧はまだ先になりそうです。
場所 熊本県人吉市上薩摩瀬町
三日原観音堂は相良三十三観音霊場の4番札所です。 三日原観音堂 については、残された文献がなにも見つかっておらず、ご本尊である聖観音も含めいつの年代のものなのかは明らかになっていません。 江戸[…]
七辻屋・三日原観音堂
©緑川ゆき・白泉社/「夏目友人帳」製作委員会
七辻屋と三日原観音堂は健在です。
場所 熊本県人吉市下戸越町
毘沙門堂
©緑川ゆき・白泉社/「夏目友人帳」製作委員会
毘沙門堂一帯は、被害が大きかった地区です。
倒れた石塔は復元されています。
お堂は水流にさらされながら倒壊は免れたものの、被害は深刻です。
ご本尊が無事保護されていることをお祈りします。
場所 熊本県人吉市中神町
毘沙門天像はこの地域でも各地に存在します。 ここで記事にするのは、人吉市中神町の大柿地区にある毘沙門堂です。 夏目友人帳の定番スポットがこの大柿地区に集中しています。 大柿地区 大柿[…]
紅取橋
©緑川ゆき・白泉社/「夏目友人帳」製作委員会
紅取橋は無事でした、復興工事の大きなトラックが立て続けに通行しています。
場所 熊本県人吉市中神町
天狗橋
©緑川ゆき・白泉社/「夏目友人帳」製作委員会
天狗橋自体は無事でしたが、洗い流されたたもとの土手はまだ手付かずです。
天狗橋から続く道路も流されていて、まだ復旧工事中です。
一車線の堤防道路に大型トラックが次々にやってくるので、ハッキリ言って見学は工事のジャマです。
復旧を待ちましょう。
場所 熊本県人吉市中神町大柿
那良口橋周辺
©緑川ゆき・白泉社/夏目友人帳プロジェクト
球磨村に入るとさらに被害は甚大です。
©緑川ゆき・白泉社/夏目友人帳プロジェクト
一見何も変わらないように見えますが・・・
一帯は水流にさらされています。
松谷棚田のほうにも地元の方の車が行っていましたが、那良口駅に行ってみました。
やはり、球磨川の一部と化した形跡しかありません。
このあたりから下流は谷の幅が狭いので、おそらく似たような状況だったでしょう。
駅舎には肥薩線の復興をねがうイラストが展示されています。
球磨村の夏目友人帳聖地については、ひと通り記事にしました。 劇場版~うつせみに結ぶ〜にも少し、球磨村を参考にしたような風景がありましたので、記事にしておきます。 ほかの球磨村の聖地については、過去記事でご確認ください。[…]
高沢棚田・横居地蔵堂・大槻分校
高沢一勝地線は、復旧工事のため通行止めです。
渡から登るルートもありますが、当面は似たような状況です。
地元の方や工事の方に迷惑にならないように、ムリして山に入らず復旧を待ちましょう。
人吉市から219号線を八代方面に向かうと球磨村に入ります。 前回の毘沙門堂の記事の最後あたりに「栗林橋」というスポットを書きましたが、栗林橋は東岸が人吉市、西岸は球磨村になります。 前回の記事はこちらです。↓ […]
一勝地
一勝寺の下あたりは通行できるようにしてあります。
これだけ川幅があるのに、浸水したお宅が多いのに驚きます。
一勝地駅に列車は来ませんが、営業していますので必勝祈願グッズは買えます。
一勝地駅は、熊本県球磨郡球磨村にある、 JR九州肥薩線の駅です。 「勝」の入った縁起の良い駅名から、いつしか勝利祈願のスポットとなっています。 受験生やスポーツ選手なら、大事な本番前に一度は訪れておき[…]
旧坂本村
国道219号線から県道芦北球磨線へ分岐する大野大橋から下流は、一般車の通行止めが続いています。
まだ復旧工事の真っ最中なので、一般人が行けるようになるのはもう少し先になりそうです。
瀬戸石駅
©緑川ゆき・白泉社/「夏目友人帳」製作委員会
那良口駅に貼られていた瀬戸石駅の被災後の写真です。
熊本県南豪雨後、JR肥薩線・瀬戸石駅付近(八代市坂本町)の被災状況を撮影した映像です。駅前の住宅を仕事場にしていた地元住民から依頼されて撮影しました。住宅だけでなく駅舎やホームも跡形無く流失しています。 pic.twitter.com/9LgxpG6MpL
— 村山嘉昭|Murayama Yoshiaki (@_murayama) July 20, 2020
瀬戸石駅といえば、グーグルのサジェスト機能でも夏目友人帳と表示されます。 夏目友人帳ファンの方の間では、聖地として有名な場所です。 水害に悩まされた瀬戸石駅 瀬戸石駅はJR九州肥薩線の駅で[…]
球磨川第一橋梁
©緑川ゆき・白泉社/「夏目友人帳」製作委員会
今日の肥薩線 球磨川第一橋梁。
— しゅん (@syun_555) October 16, 2021
去年の川の氾濫で流された橋の残骸は撤去されたのか?
確か矢印の位置辺りにあったかと…… pic.twitter.com/VQALDF7Qey
流された上部工は、近所の人たちが災害遺構として保存を検討されているとか。
場所 熊本県八代市鎌瀬
坂本駅
©緑川ゆき・白泉社/夏目友人帳プロジェクト
坂本駅は被災後、土砂置き場として利用されているようです。
今日の肥薩線 坂本駅。
— しゅん (@syun_555) June 26, 2021
なんじゃ、この線路にある土の塊は………… pic.twitter.com/6FL3wNnH36
坂本駅は、JR九州肥薩線の駅になります。 開設時である1908年(明治41年)の建物をそのまま使っています。 肥薩線の駅は明治時代の木造の駅舎が残っていて、かえって見どころがあります。 坂本駅周辺[…]
まとめ
記事にしたのは、熊本県南部豪雨での被害が大きかったスポットです。
まだ復旧途中で、完全復旧は先になりそうです。
ただし、記事にしていない聖地は、ほとんど行くことができるはずです。
アニメの聖地は、時間がたつうちに景色が変わることもあります。
復興支援という意味でも行くことができるスポットは早めに訪れることをおススメします。
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