薩摩永野駅は、かつて鹿児島県薩摩郡さつま町にあった国鉄宮之城線の駅です。
近くに永野金山があり、大きな町であったため、宮之城~薩摩大口間の路線を結ぶ際、永野町を経由するように鉄道がつくられました。
スイッチバック式の駅
スイッチバック式の駅であり、西側にある薩摩湯田駅から着いた上り列車は、同じく西側にある広橋駅へ向かっていました。
そのために、シーサスクロスポイントがあり、現在もこの両渡り線の分岐は保存されています。
急な坂道でもないのにスイッチバックだったのは、永野金山へ向けての延伸計画があったのかもしれません。
金山の峠を越えると、肥薩線の大隅横川駅になります。
永野鉄道記念館
薩摩永野駅の跡には、駅時代の資料を展示する鉄道記念館が建てられています。
資料館は、廃線後にあらたに建てられたものです。
見た感じは駅舎そのものですが、現役時代に使われていた駅舎ではありません。
通常は展示室に鍵がかけられています。
内部を見学したいときは、近くのYショップでカギを借りるようになっています。
かつてのホーム跡には、薩摩永野駅だけでなく、おとなりの広橋駅と薩摩湯田駅の駅名標も建っています。
鉄道遺構
展示室内には、駅の備品や資料などが保存されていました。
ホーム脇の車庫には、モーターカーが2両並んでいます。
保存した線路の保線用かとも思いましたが、シーサスクロスポイントとはつながっていません。
シーサスクロスポイントの保存してある線路には、車掌車が展示してあります。
型番は「ヨ8958」です。
廃線マニア?の方は、訪れておいて損はない駅跡です。
北薩横断道路
駅の南側の田は、現役当時から農地でした。
さらにその南には、鹿児島空港と阿久根を結ぶ北薩横断道路という高規格道路が走ります。
国道504 号線のバイパス、北薩横断道路(通称:空港道路)として整備中です。
2019年現在で、供用されているのは3割程度です。
薩摩永野駅の最寄りICは、永野インターチェンジとなります。
沿革
1935年(昭和 10年) | 宮之城線薩摩鶴田駅より延伸、終着駅として開業 |
19374 (昭和 12年) | 薩摩大口駅まで延伸、宮之城線が全線開通 |
1962年(昭和37年) | 貨物取扱廃止 |
1987年(昭和62年) | 宮之城線全線廃止に伴い廃駅 |
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