嘉例川(かれいがわ)駅は、鹿児島県霧島市隼人町にある、JR九州肥薩線の駅です。
鹿児島県内最古の木造駅舎は、国の登録有形文化財です。
1903年(明治36年)に開業した駅です。
開業当初の木造駅舎が現役で使われています。
嘉例川駅の歴史
妙見温泉の最寄り駅であり、開業当初から 1960年ごろまでは活況を呈していました。
しかし、周辺には小さな集落しかなく、1984年(昭和 59 年)には無人化されています。
山間にある小さな駅で、2000 年代になるまでは、ほとんど注目されていません。
地元の方以外で、レトロな雰囲気の嘉例川駅を知るのは、一部の鉄道マニアだけでした。
脚光をあびるきっかけ
2003年(平成 15年)に、元駅員らが開業 100 周年事業を企画します。
しかし、JR九州には見向きもされませんでした。
自力で行った開業100周年の祝賀会には、約 1300人が集まり駅への注目も高まります。
JR九州もこれを評価して、2004年(平成16年)に、観光列車「はやとの風」の停車駅となりました。
観光地
地元の旧隼人町でも、築 100 年の駅というキャッチフレーズで、観光化に力を入れています。
2006年(平成18年)に、駅舎が国の有形文化財として登録されます。
2007年(平成19年)には、南九州近代化産業遺産群の物資輸送関連遺産のひとつとして登録されました。
鹿児島空港の最寄り駅でもあります。
駅構内に路線バスが乗り入れていて、鹿児島空港や近くの温泉にアクセスしています。
今では、絶え間なしに観光客が訪れる、霧島市の観光地となっています。
にゃん太郎
2015年(平成27年)ごろから、嘉例川駅には猫が居ついていました。
猫は「にゃん太郎」と名付けられ、2016年(平成 28 年)から、嘉例川観光大使に任命されていました。
「にゃん太郎」は、2020年(令和2年)7月に、嘉例川駅から天国へ旅立っています。
タヌキ顔で人懐っこく、観光客の相手をよくしていたといいます。
8月に訪れたときは、後継(候補?)の猫が2匹いました。
昼休み中なのか、この暑いなか熟睡していました。
沿革
1903年(明治36年) | 国分~横川間開通にともない開業 |
1984年(昭和 59 年) | 無人化 |
1987年(昭和62年) | JR九州が継承 |
2003年(平成15年) | 開業百周年記念事業 |
2006年(平成18年) | 国の有形文化財として登録 |
2007年(平成19年) | 南九州産業近代化遺産群 物資輸送関連遺産に選ばれる |
観光パンフレット
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