リニア宮崎実験線は、かつて宮崎県日向市から都農町にかけて設置されていた、磁気浮上式鉄道(リニアモーターカー)の実験施設です。
![リニア宮崎実験線](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
1977 年 (昭和 52 年)に走行試験がはじまり、1996年(平成8年)まで使われていました。
現在は、山梨県の実験線に役割を譲っています。
宮崎への実験線の誘致
1970年代のはじめ、当時の国鉄は国分寺市でリニアモーターカーの実験を行っていました。
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実験の成果を受け、本格的な実験線の建設が計画されました。
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全国に複数の候補地があったのですが、最終的に宮崎県の日豊本線沿いに決定したものです。
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1974年(昭和49年)に実験線の建設に着工し、1977年(昭和 52年)に実験を開始しています。
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計画線の全線 7.0 kmが完成したのは、1979年(昭和 54年)でした。
リニアモーターカーの線路
美々津駅から都農駅間の日豊本線に並行して、ほぼ一直線に実験線が走っています。
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鉄道技術研究所(のちの鉄道総研)では、磁気浮上式鉄道の高架線のことを、ガイドウェイとよんでいました。
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全線高架の単線で、勾配もほとんどありません。
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当時の実験車両は、無人走行 で517 km/h、有人走行で 411 km/hを記録しています。
![1981年(昭和56年)のMLU-001](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
超電導走行の実験が成熟してくると、実用化のためには、より実際の路線に近い実験線が必要となりました。
![宮崎実験線と田園風景](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
勾配・曲線・複線区間・トンネルなどを備えた新たな実験線が計画されます。
宮崎も最後まで候補地として残りましたが、新実験線は山梨に決定しました。
![日豊本線と宮崎実験線](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
1989年(平成元年)に、山梨実験線が着工し、1996年(平成8年)に完成します。
これを受けて、宮崎実験線は廃止となりました。
宮崎実験線の現状
1970年代には、福岡から大分、宮崎を経て鹿児島に至る新幹線の基本計画がすでにありました。
いわゆる、東九州新幹線です。
![東九州新幹線について](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
2020年となった現在も、着工されていませんが計画自体は残っています。
宮崎実験線の建設当初は、実験終了後に東九州新幹線に転用する計画もあったようです。
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実験センターと高架は現存しています。
![宮崎実験センター](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
高架線ともども、現在もさまざまな実験を行う施設として利用されています。
![宮崎実験線 変電所](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
展望台や変電所などは撤去されました。
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宮崎実験センターが、実験線の起点です。
![宮崎実験線 都農駅側](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
終点の都農駅側は、高架の上に太陽光発電のパネルが乗っています。
![国際航業グループ 宮崎ソーラーウェイ 都農第2発電所](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
世界でも珍しい細長いソーラー発電所になっています。
美々津駅
宮崎県日向市美々津町にある、JR九州日豊本線の駅です。
![美々津駅](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
無人駅で駅舎はありませんが、待合室の建物があります。
![美々津駅の駅名標](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
宮崎実験線の美々津側末端の最寄り駅になります。
![実験線 美々津駅側末端](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
鉄道総合技術研究所の宮崎実験センターの置かれている場所です。
![鉄道総研宮崎実験センター](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
1kmほど南下すると分岐実験をするための支線がありました。
![宮崎実験線分岐線](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
![分岐線の末端](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
分岐線の末端です。
![分岐部分の施設](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
分岐点の地上部分です。
![分岐点の高架部分](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
分岐点の高架部分です。
場所 宮崎県日向市美々津町
東都農駅
宮崎県児湯郡都農町にある、JR九州日豊本線の駅です。
![東都農駅](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
無人駅で駅舎はありませんが、待合室の建物とトイレがあります。
![リニア展望台](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
現在トイレがあるところに、見学施設の展望台と資料館がありました。
見学施設は、2006年(平成18年)に解体されています。
![変電所跡](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
リニア用の変電所があったのも、この近くです。
都農駅
宮崎県児湯郡都農町にある、JR九州日豊本線の駅です。
![都農駅](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
有人駅で一部の特急が停車します。
![宮崎実験線 都農駅側末端](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
宮崎実験線の都農側末端の最寄り駅です。
![宮崎実験線 都農駅側](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
山梨実験線
山梨実験線は、全長18.4km全線が複線です。
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最終的に実験線は全長42.8 kmに延伸される計画となり、現在延伸工事中です。
2005年(平成17年)には、リニアモーターカーの実用化の目途がたったとされました。
2015年(平成 27年)には、有人走行で 607 km/hを記録、鉄道の世界最高速度記録を更新しています。
超電導式リニア中央新幹線
2027 年(令和9年)に品川~名古屋駅間の開業を目指して、2014年(平成 26 年)に起工しています。
最終的には、2037 年(令和 19年)大阪駅までの全線開通を計画しています。
まとめ
宮崎実験線でのリニア実験が終わり、20数年経っています。
![実験線管理道路](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
実用化にいたる実験は、ほぼ山梨実験線で行われました。
![宮崎実験センター](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
しかし、リニア中央新幹線が開業するときには、宮崎実験線での成果が基礎になっていると思いたいです。
鉄道総合技術研究所 宮崎実験センター
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