薩摩大口駅は、かつて鹿児島県伊佐市大口にあった、JR九州の駅です。
山野線と宮之城線が乗り入れていて、2路線の乗換駅でした。
2路線とも第2次特定交通線として廃止されています。
薩摩大口駅も、1988年（昭和63年）に廃駅となりました。
北薩の交通の要衝
山野線は、水俣駅から栗野駅を結ぶローカル線です。
宮之城線は、川内駅を起点とし、薩摩大口駅が終点のローカル線でした。
薩摩大口駅から、熊本や博多へ行く時は、山野線で水俣駅へ向かい、鹿児島本線に乗り換えです。
西鹿児島へ行く時は、宮之城線経由で、川内駅から鹿児島本線に乗り入れる直通便がありました。
さらに山野線経由で、栗野駅から肥薩線に乗り入れる西鹿児島への直通便もありました。
1982年（昭和57年）の薩摩大口駅の時刻表です。
1日21便が発車しています。
薩摩大口駅は、北薩の交通の要衝となる鉄道駅でした。
廃駅への道
薩摩大口駅は、交通の要衝ではありましたが、乗り入れる2路線は、どちらもローカル線でした。
国鉄再建法に基づく、第2次廃止対象路線となり廃線が決まります。
1987年（昭和62年）分割民営化を待たずに、宮之城線が全線廃止されます。
1988年（昭和63年）事業をJR九州が引継いでいた、山野線も全線が廃線となりました。
乗入れる列車がなくなった薩摩大口駅は廃駅となってます。
現在の薩摩大口駅
残念なことに、昔の駅舎はもうありません。
しかし、ところどころに痕跡は残されています。
薩摩大口駅構内の東端が公園になっていて、駅の遺構が残されています。
公園内にはポイントや腕木式信号機と、ヨ8000型車掌車が展示されています。
薩摩大口駅遺構のポイントです。
腕木式信号と車掌車です。
薩摩大口駅が廃駅となってから30年以上経過しています。
保存状態も、それなりの年数を感じます。
公園北側の道路は、山野線と宮之城線が並走していた線路でした。
歴史民俗鉄道記念資料館
薩摩大口駅跡には、大口ふれあいセンターが建てられています。
今でも、伊佐市大口の中心街の役割を果たしています。
公設の図書館や会議室などになっていますが、商業施設も入居しています。
その4階に、歴史民俗鉄道記念資料館が設置されています。
薩摩大口駅にかかわる、遺物を見ることができます。
交差点より手前が駅構内、先が駅前通りでした。
写真右端の道路から左が駅構内、右は駅前の商店街でした。
1976年（昭和51年）の航空写真です。
2006年（平成18年）の航空写真です。
少し角度が違うのでわかりにくいですが、駅跡にふれあいセンターがあるのがわかります。
沿革
| 1921年（大正10年） | 山野軽便線の駅として開業 |
| 1937年（昭和12年） | 宮之城線が接続 |
| 1987年（昭和62年） | 宮之城線廃止 |
| 1987年（昭和62年） | 国鉄分割民営化、JR九州が継承 |
| 1988年（昭和63年） | 山野線廃止、廃駅となる |
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